肺炎球菌ワクチンのご案内

2026/06/23

肺炎球菌ワクチンのご案内

肺炎球菌ワクチンのご案内

肺炎は高齢者にとって命に関わる怖い病気です。その原因菌として最も多いのが「肺炎球菌」です。
ワクチンを接種することで、肺炎球菌による肺炎や重症感染症(敗血症・髄膜炎)を予防・重症化防止できます。
当クリニックでも肺炎球菌ワクチンの接種を行っております。ぜひご相談ください。

肺炎と肺炎球菌 ― データで見るリスク

肺炎死亡者に占める

約98%

が65歳以上の高齢者

成人市中肺炎のうち

約30〜40%

が肺炎球菌による肺炎

65歳以上では

急増

肺炎球菌性肺炎の発生率が
若年と比べ急激に上昇

💡 つまり、高齢者が肺炎で入院した場合、原因の3〜4割は肺炎球菌です。
肺炎球菌ワクチンはこの「最大の原因菌」を標的とした予防策です。65歳になったタイミングが最も重要な接種機会です。
出典:全国成人肺炎研究グループ(APSG-J)多施設共同前向き研究 / 感染症情報提供サイト(JIHS)

川崎市の定期接種(公費助成あり)

川崎市では、対象者に対して肺炎球菌ワクチン(プレベナー20)の定期接種を公費助成で実施しています。
(参考:川崎市 高齢者を対象とした定期の肺炎球菌感染症予防接種

項目 内容
対象者① 川崎市内に住民登録のある 65歳の方(65歳の誕生日前日〜66歳の誕生日前日まで)
※定期接種の機会は1回のみです
対象者② 接種日に満60〜64歳で、心臓・腎臓・呼吸器の機能障害(1級程度)またはHIVによる免疫機能障害(1級程度)のある方
自己負担金 5,000円(生活保護・非課税世帯は免除)
接種場所 川崎市予防接種個別協力医療機関(当クリニックも対応可)
接種回数 1回のみ(定期接種の機会は生涯1回)

⚠️ ご注意:以前に23価ワクチン(ニューモバックス)または20価ワクチン(プレベナー20)の定期接種を受けたことがある方は、公費負担での接種はできません。
また、65歳を超える方への経過措置(70・75・80…歳での助成)は2024年3月31日に終了しています。

⚠️ ニューモバックスを打ったことがある方へ|追加接種のすすめ

65歳以上で、かつてニューモバックス(23価肺炎球菌ワクチン)を接種された方は注意が必要です。

ニューモバックスは「多糖体ワクチン」という種類で、接種後5年程度で効果が低下することが知られています。せっかく打ったのに、効果が切れた状態になっている可能性があります。

そのような方には、より効果の長続きする「結合型ワクチン(プレベナー20またはキャップバックス)」への切り替えを強くおすすめします。これらは1回接種すれば追加接種は不要です。

プレベナー20 vs キャップバックス21 ― どちらを選ぶ?

2026年4月より、65歳の定期接種にはプレベナー20が使用されています。
一方、任意接種(自費)ではキャップバックス21も選択でき、どちらを打つか迷われる方も多くいらっしゃいます。
以下の比較表を参考にしてください。

比較項目 プレベナー20(PCV20) キャップバックス21(PCV21)
ワクチンの種類 結合型ワクチン(PCV) 結合型ワクチン(PCV)
カバーする血清型数 20種類 21種類
効果の持続 生涯持続(追加接種不要) 生涯持続(追加接種不要)
接種回数 1回 1回
重症感染症(IPD)
血清型カバー率
約50% 約78〜79%
肺炎球菌性肺炎
血清型カバー率
約43〜44% 約71〜72%
近年増加する
血清型への対応
一部カバー 成人に特化した設計(15A・15C・23A・35Bなどをカバー)
川崎市の定期接種 対象(65歳・自己負担5,000円) 任意接種のみ(全額自費)
費用(目安・自費) 約8,000〜12,000円程度 約13,000〜16,000円程度
安全性・副反応 同等(注射部位の痛みなど) 同等(注射部位の痛みなど)

※カバー率は血清型カバー率であり、実際のワクチン有効率とは異なります。国内2019〜2024年データに基づく目安。

どちらを選べばよいか?― 当院からのアドバイス

✅ 最も理想的な選択:両方打つ(シーケンシャル接種)

プレベナー20とキャップバックス21はカバーする血清型が一部異なります。費用に余裕がある方は両方を接種することで、より広い範囲の肺炎球菌をカバーできます。
ただし、2つのワクチン間には1年以上の間隔が必要です。順番はどちらが先でも構いません。

💰 1本に絞るなら:キャップバックス21を優先

血清型カバー率(重症感染症約78%、肺炎約72%)はキャップバックス21のほうが高く、近年日本の成人で増加している血清型に特化して設計されています。
学会ガイドラインでも「キャップバックス21はプレベナー20よりカバー率が優れている」と明記されています。
1本のみ選ぶならキャップバックス21(全額自費)がおすすめです。

📋 65歳の定期接種タイミングなら:プレベナー20(公費)をまず接種

川崎市の定期接種(65歳・自己負担5,000円)でプレベナー20を受け、1年以上後にキャップバックス21を自費で追加接種するのがコストパフォーマンスの良い方法です。

当院での接種費用

ワクチン 種別 費用(税込)
高齢者肺炎球菌(プレベナー20® 公費助成対象
川崎市定期接種(65歳の方)
5,000円
プレベナー20®
20価肺炎球菌結合型ワクチン
任意接種(自費)
66歳以上・定期接種以外の方
12,000円
キャップバックス21®
21価肺炎球菌結合型ワクチン
任意接種(自費)
より広いカバー率を希望する方
16,000円

※接種は予約制です。事前にお電話またはWeb予約にてご連絡ください。接種後は15〜30分程度院内でお待ちいただきます。

どのワクチンを打てばいい?― 簡単チェック

あなたの状況 おすすめの接種
65歳・肺炎球菌ワクチン未接種 プレベナー20(定期接種・公費)→ 1年後にキャップバックス21(自費)も検討
66歳以上・肺炎球菌ワクチン未接種 キャップバックス21(自費)を優先推奨。または両方を1年あけて接種
65歳以上・ニューモバックスを接種済み(5年以上経過) プレベナー20またはキャップバックス21(自費)を1回接種。両方でも可(1年間隔)
プレベナー20を接種済み 1年以上後にキャップバックス21(自費)の追加接種を検討

💉 肺炎球菌ワクチンのご相談・接種予約

「自分はどのワクチンを打てばいい?」「以前ニューモバックスを打ったが大丈夫か?」など、
お気軽に当クリニックにご相談ください。一人ひとりの接種歴や状況に合わせてご案内します。

📞 044-797-5556 または Web予約・LINEにてお問い合わせください

監修・文責

岸 智(きし さとる)
なかはら内科クリニック 院長
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医/日本循環器学会専門医/日本糖尿病学会専門医
日本内分泌学会専門医/日本高血圧学会専門医/日本血管学会専門医
FACP・FACC・FAHA・FESC・FSCCT


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