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2024.08.15
病院紹介!ドクターズファイル内容改訂しました。
こんにちは。いつもなかはら内科クリニックをご利用いただきありがとうございます。
先日、ドクターズファイルで取材を受けた内容を新しく改訂しました。2017年から現在までの間に、クリニックの方向性や患者さんのニーズが変わってきたため、今の状況に合った内容に更新しています。
特に、初めて当クリニックのホームページを訪れる方々は「このクリニックはどんなところだろう?」と不安に感じることもあるかと思います。そうした方々に安心していただけるよう、当院が得意とする診療内容をより具体的にお伝えすることにしました。
私たちは、糖尿病や循環器の病気、高血圧、内科一般の診療を専門としています。
これらの分野でどのように患者さんをサポートしているのかを、分かりやすくご紹介しています。
なかはら内科クリニックが目指していること、そして得意としていることを知っていただければ、より安心して診療を受けていただけると思います。ぜひ一度、記事をご覧ください。
記事は こちらからご覧いただけます。
健康を害する気温になってきましたね。
こんな暑さの中、テニスをしたら、不覚にも熱中症になってしまいました。飲水しているつもりなのですが、つもりは危険ですね。
今回は、薬の飲み忘れを防ぐための対策について、わかりやすく説明しますね。
1. 飲み忘れを防ぐための方法
- タイマーやアラームを使う:
- スマートフォンや時計のアラーム機能を使って、薬を飲む時間にアラームを設定しましょう。
- 毎日のルーチンに組み込むと良いです。例えば、朝食後や就寝前など。
- ピルオーガナイザーを使う:
- 薬を曜日ごとや時間ごとに分けて保管できるピルオーガナイザーを使うと便利です。
- 週に一度、予め薬を分けておくことで、飲み忘れを防ぎやすくなります。
- 薬のリストを作成する:
- 服用する薬の名前、用量、飲む時間をリストにまとめておきましょう。
- 冷蔵庫や目につく場所に貼っておくと良いです。
- 家族や友人に協力してもらう:
- 家族や友人に、薬を飲む時間を確認してもらうようにお願いするのも有効です。
- お互いに声を掛け合うことで、飲み忘れを防ぐことができます。
- スマートフォンアプリを活用する:
- 薬の飲み忘れを防止するためのアプリが多数あります。これらを利用すると、通知機能で飲む時間を知らせてくれます。
2. 飲み忘れた場合の対処法
- 気づいた時点ですぐに飲む:
- 飲み忘れに気づいたら、できるだけ早く薬を服用しましょう。
- ただし、次の服用時間が近い場合は、次の服用時間まで待つこともあります。
- 医師や薬剤師に相談する:
- 飲み忘れが頻繁にある場合や、どうしても飲む時間に間に合わなかった場合は、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
3. 継続するための心構え
- 薬の重要性を理解する:
- 薬を定期的に服用することが、病気の治療や予防にとって非常に重要であることを理解しましょう。
- 自分の健康管理の一環として、意識して取り組むことが大切です。
<薬の飲み忘れを防止するための具体的なスマートフォンアプリをいくつか紹介します。>
1. MediSafe (メディセーフ)
- 特徴: 薬のリマインダー機能が充実しており、家族や友人と情報を共有する機能もあります。服薬履歴を記録し、医師との情報共有も簡単に行えます。
- 対応OS: iOS、Android
2. MyTherapy (マイセラピー)
- 特徴: 薬のリマインダーに加え、健康日記や症状の記録もできる総合的なヘルスケアアプリです。服薬管理の他、医師の指示に従った健康管理をサポートします。
- 対応OS: iOS、Android
3. Pill Reminder – All in One
- 特徴: 簡単な操作で薬のリマインダーを設定できるアプリです。複数の薬を管理でき、通知機能がしっかりしています。
- 対応OS: iOS
4. CareClinic (ケアクリニック)
- 特徴: 薬のリマインダーに加え、健康管理やフィットネスの追跡、症状の記録などができる包括的なヘルスケアアプリです。医療記録の保存も可能です。
- 対応OS: iOS、Android
5. Dosecast (ドースキャスト)
- 特徴: オフラインでも動作し、時差のある旅行中でもリマインダーが機能します。薬の管理に特化したアプリで、服薬履歴の記録も簡単にできます。
- 対応OS: iOS、Android
これらのアプリを活用することで、薬の飲み忘れを効果的に防ぐことができます。ご自身のライフスタイルやニーズに合ったアプリを選んで活用してください。何か質問があれば、いつでもお知らせください。
<薬の飲み忘れを防ぐためのさらなる具体的な対策法をいくつかご紹介しますね。>
1. ビジュアルリマインダーを設置する
- ポストイットを活用:
- 薬を飲む時間や場所にポストイットを貼ることで視覚的にリマインドできます。
- 例えば、冷蔵庫のドアや洗面所の鏡など、日常的に目にする場所に貼ると効果的です。
2. 日常のルーチンに組み込む
- 特定の行動に結びつける:
- 毎日の習慣と結びつけて薬を飲むようにします。
例えば、朝食後や歯磨きの後など、既に定着している行動と一緒に薬を飲む習慣を作ります。
院長は歯磨き後に服用して飲み忘れを防止しています。お口がスッキリした後の内服はおすすめです!
3. 家族や友人と協力
- サポートシステムを作る:
- 家族や友人と協力して、お互いに薬を飲む時間を確認し合うことも効果的です。
- 定期的な確認電話やメッセージのやり取りも良い方法です。
高齢者で認知症の患者さんは家族のサポートが非常に大切です。
飲んでおいてね!ではなく。電話しながら服用すると確実性が増しますね。
4. 視覚的なカレンダーを使う
- カレンダーに記録する:
- 月ごとのカレンダーを用意し、薬を飲んだ日にはチェックを入れることで視覚的に管理できます。
- これにより、飲み忘れが一目で分かります。
5. 服薬チェッカー
- アナログな方法を使う:
- 薬を飲むたびにチェックを入れる紙のリストを用意する方法もあります。
- 簡単な表を作り、日付と服薬時間を記録するだけで飲み忘れを防ぎやすくなります。
6. タイムロック付きのピルケース
- タイムロック機能付き:
- 決まった時間にのみ開くピルケースを使用することで、適切な時間に薬を飲むことを促進します。
- 特定の時間にしか開かないため、飲み忘れを防ぎやすくなります。
7. リマインダー機能付きのデジタルデバイス
- スマートウォッチやデジタルアシスタント:
- スマートウォッチやデジタルアシスタント(例:Amazon Alexa、Google Assistant)のリマインダー機能を活用するのも有効です。
- 音声や振動で通知してくれるため、気づきやすくなります。
8. 定期的なレビュー
- 定期的に確認する:
- 薬の服用状況を定期的に振り返る習慣を持つと良いです。毎週や毎月、薬がきちんと飲めているか確認します。
- 必要に応じて、飲み忘れ防止策を見直します。
これらの対策を組み合わせて、自分に合った方法を見つけることで、薬の飲み忘れを効果的に防ぐことができます。何か不明な点や相談がありましたら、いつでもお知らせください。
2024.07.14
なんで高血圧じゃないのに高血圧の薬?なんで糖尿病じゃないのに糖尿病の薬?一剤2役!3役!複数の効果を示す薬剤について
ときどき、他院通院中の患者さんが患者さんご自身のかかりつけクリニックで処方されている薬について相談のために、糖尿病・高血圧専門クリニックである なかはら内科クリニックに来院されます。
なんで高血圧じゃないのに高血圧の薬なんですか?
なんで糖尿病じゃないのに糖尿病の薬なんですか?
処方箋を持参し薬局に行くと、薬剤師から色々説明を聞いたり、薬剤情報説明書を見て、あれ?自分は高血圧ではないのにとか、糖尿病じゃないのにと感じて不安になり相談になることが多いです。
きっと、かかりつけの先生の説明不足かなかなか伝わりづらいことが原因なのでしょう。
当院かかりつけ患者さんでもたまにこのようなエピソードがあります。
説明しているつもり。。なのですが。反省。。
今日は一剤2役!3役!複数の効果を示す薬剤について説明しようと思います。
<高血圧のくすり>
ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)
1. 高血圧治療:
- 効果: 血管を拡張させることで血圧を下げます。
- メカニズム: アンジオテンシンIIという血管を収縮させる物質の生成を阻害します。
2. 腎保護作用:
- 効果: 腎臓の機能を保護し、慢性腎臓病の進行を遅らせる効果があります。
- メカニズム: 血圧や糸球体内圧を下げることで腎臓への負担を軽減し、さらに腎臓の血流を改善します。
3. 慢性心不全:
- 効果: 心臓のリモデリング(心臓の形状や機能の変化)を防ぎ、心不全の症状を改善します。
- メカニズム: 血圧の低下と共に、心臓の負担を軽減し、心筋の保護効果があります。
ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)
1. 高血圧治療:
- 効果: 血圧を下げます。
- メカニズム: アンジオテンシンIIが受容体に結合するのを阻害し、血管を拡張させます。
2. 腎保護作用:
- 効果: 慢性腎臓病の進行を遅らせる効果があります。
- メカニズム: 血圧や糸球体内圧を下げることで腎臓への負担を減少させ、腎機能を保護します。
3. 慢性心不全:
- 効果: 心臓のリモデリングを防ぎ、心不全の症状を改善します。
- メカニズム: 血圧の低下と共に、心臓の負担を軽減し、心筋の保護効果があります。
まとめ
ACE阻害薬とARBは、単に高血圧を治療するだけでなく、腎臓や心臓の保護にも役立つ薬です。これにより、患者さんの全体的な健康状態を改善し、重篤な合併症のリスクを減少させることができます。
その他
β遮断薬(ベータブロッカー)
- 主な作用: 心拍数を下げ、心筋の酸素需要を減少させることで、狭心症や心不全、高血圧の治療に使用されます。
- その他の作用: 一部のβ遮断薬は、不整脈の予防や治療にも有効です。
カルシウム拮抗薬
- 主な作用: 血管を拡張させ、血圧を下げます。また、狭心症の症状を緩和します。
- その他の作用: 一部のカルシウム拮抗薬は、不整脈の治療にも使用されます。
<糖尿病のくすり>
SGLT2阻害薬(ナトリウム・グルコース共輸送体2阻害薬)
1. 糖尿病治療:
- 効果: 血糖値を下げます。
- メカニズム: 腎臓でのグルコースの再吸収を阻害し、尿中に排泄されるグルコース量を増やすことで血糖値を下げます。
2. 体重減少:
- 効果: 体重を減少させる効果があります。
- メカニズム: 尿中に排泄されるグルコースに伴いカロリーが失われるため、体重が減少します。
3. 心血管保護作用:
- 効果: 心不全のリスクを低減し、心血管系の健康を改善します。
- メカニズム: 血糖値の管理に加え、利尿作用による体液量の減少と血圧の低下が心血管系に良い影響を与えます。
4. 腎保護作用:
- 効果: 腎臓病の進行を遅らせ、腎機能を保護します。
- メカニズム: 血糖値と血圧の管理による腎臓への負担軽減に加え、直接的な腎臓保護効果もあります。
まとめ
SGLT2阻害薬は、主に糖尿病の治療薬として開発されましたが、以下のような多くの有益な効果があります。
- 血糖値を効果的に管理
- 体重減少効果
- 心血管保護
- 腎保護
これらの効果により、糖尿病患者さんの全体的な健康状態を改善し、重篤な合併症のリスクを減少させることができます。
GLP-1作動薬(グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬)
1. 糖尿病治療:
- 効果: 血糖値を下げます。
- メカニズム: GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事後に腸から分泌されるホルモンで、インスリンの分泌を促進し、グルカゴンの分泌を抑制します。また、胃の排出を遅らせ、食後の血糖値の急上昇を防ぎます。
2. 体重減少:
- 効果: 体重を減少させる効果があります。
- メカニズム: 食欲を抑制し、摂取カロリーを減少させることにより体重が減少します。
3. 心血管保護作用:
- 効果: 心血管イベント(心臓発作や脳卒中など)のリスクを低減します。
- メカニズム: 血糖値の管理に加えて、体重減少や血圧の低下、脂質プロファイルの改善が心血管リスクの低減に寄与します。
4. 使いやすさ:
- 特徴: 多くのGLP-1作動薬は週に一度の注射で効果が持続するため、投薬管理が比較的容易です。
具体例:セマグルチド
セマグルチドは、GLP-1作動薬の一つで、糖尿病の治療に広く使用されています。以下にその主な効果をまとめます。
- 血糖値管理: 食後の血糖値上昇を抑え、全体の血糖値を安定させます。
- 体重減少: 食欲を抑制し、体重管理に役立ちます。
- 心血管保護: 心血管イベントのリスクを減少させる効果があります。
まとめ
GLP-1作動薬、特にセマグルチドは、糖尿病治療だけでなく、体重管理や心血管リスクの低減にも有効です。週に一度の投与で効果を発揮するため、患者さんの負担も軽減されます。
マンジャロ(チルゼパチド)の効果と特徴
1. 血糖値管理
- 効果: 血糖値を効果的に下げます。
- メカニズム: チルゼパチドはGLP-1とGIPの受容体を同時に刺激し、インスリンの分泌を促進し、グルカゴンの分泌を抑制します。これにより、食後の血糖値の上昇を抑え、全体的な血糖コントロールを改善します。
2. 体重減少
- 効果: 体重を減少させる効果があります。
- メカニズム: 食欲を抑制し、摂取カロリーを減少させることで体重を減少させます。また、エネルギー消費を増加させる作用もあるとされています。
3. 心血管保護
- 効果: 心血管イベント(心臓発作や脳卒中など)のリスクを低減します。
- メカニズム: 血糖値の改善に加え、体重減少、血圧の低下、脂質プロファイルの改善が心血管リスクの低減に寄与します。
4. 使用方法
- 特徴: マンジャロは通常、週に一度の注射で投与されます。これは患者さんの薬物管理を容易にし、投与頻度の低さが治療の継続性を高めます。
まとめ
マンジャロ(チルゼパチド)は、2型糖尿病の管理において非常に有望な薬剤です。血糖値の効果的なコントロールに加え、体重減少効果や心血管保護作用も持っております。心血管イベント抑制効果や腎保護効果についての報告は少ないですが、血糖改善や体重改善の効果から、これらの効果も期待できると考えられています。体重減少効果や心血管保護作用も持っており、総合的な健康改善に寄与します。週に一度の投与で効果を発揮するため、患者さんの負担も軽減されます。
先日、サプリメントで悪玉コレステロールを下げる効果を謳っている、紅麹コレステヘルプが腎機能障害が出るとことで問題になりました。
医療者からの院長からすると、なぜ患者さんは医師からの処方薬は服用することに抵抗を示して、厚労省ではなく、消費者庁が管轄している機能性表示食品のようなサプリメントに手を出してしまうのだろうとジレンマを感じながら報道を聞いていました。
この問題の一つに、きっと、医師がきちんと患者に説明をして、理解をしてもらって安心して内服してもらえていないことが背景にあるのだろうと考えます。
当院の患者さんでも自己中断される方、通院自体をやめてしまう方が一定数いらっしゃいます。我々,医療者が、患者さんにとって本当に必要がということを十分に伝わっていなかったためと思います。
いつか、脂質異常症治療薬として世界的に一番使用されているスタチンの歴史についてブログで取り上げようと思いますが、
今回は一般的に動脈硬化性疾患の既往のない患者さんの脂質異常症の標準的な治療(一次予防)について記載しようと思います。
(ガイドラインに基づいて記載しています。)
日本循環器学会 ガイドライン
日本動脈硬化学会ガイドライン
なかはら内科クリニックは、処方薬は極力出さないクリニックです。生活習慣病というくらいですから、生活習慣改善が第一だからです。それでも、数値が改善しない場合、薬剤の介入が必要となります。
LDL高値の場合、患者さんになかはら内科ではざっくり次のように説明します。
食事・運動で低下するであろうLDLは約10〜15%と言われています。
生活習慣のどこに問題があるのか?食事なのか?運動なのか?
食事なら糖質摂取が多いのか?脂質摂取が多いのか?
生活習慣改善でも、目標LDLに達していない場合は、スタチンを主に処方します。
スタチンにより約40〜50%程度LDLを低下することができます。
患者さんの目標LDLはその患者さんの病態により決まります。
それでは、ガイドラインを見ながら理解を深めていきましょう。
なかはらクリニックでは、まず、患者さんが脳血管疾患になりやすいかを以下のように評価します。
患者さんも、日本動脈硬化学会からの簡易計算でご自身の脳梗塞・心筋梗塞のなりやすさを計算することができます。確認してみてください。
https://www.j-athero.org/general/gl2022app/general.html
例えば、58歳 男性 高血圧(144/88) 糖尿病予備軍(境界型糖尿病) 喫煙ありの患者さんが健診で脂質異常症(LDL166,HDL48, TG250)を指摘されて来院したとします。
この患者さんの58歳〜68歳までの動脈硬化性疾患発症リスクは 7.9%となり、同年齢・同性で最もリスクの低い人と比べて4.2倍発症の可能性が高くなります。
もし、この患者さんがタバコを吸っていなかったら、発症リスクは6.0%で 1.9%も喫煙でのリスクが軽減されていたことになります。ちなみに、スタチン使用でのリスク軽減は-2%なので、ほとんど、薬と禁煙は同程度の改善効果ということがお分かりになると思います。
なので、薬を使用するくらいなら、タバコをやめましょう!と外来で伝えているのはこのためです。
喫煙による寿命の話は別のブログで記載しているので、興味のある方はお読みください。
では、LDLの治療目標はどうでしょうか?
先ほどの患者さんに当てはめると、目標LDLは<140となります。2-3ヶ月後に評価をして、食事療法・運動療法頑張ったのに、それでもLDL<140に到達しない場合、
ここでやっと、内服薬の登場ということになります。
治療薬の概略は以下に示しますが、今度、作用機序の詳細を記載しますね。
基本第一選択はスタチンになります。スタチンはLDLコレステロール合成過程を抑制することにより効果を発揮します。まずはスタチンから治療を開始し、スタチンでも効果が不十分な場合は、スタチンを増量するか小腸コレステロールトランスポーター阻害薬(エゼチミブ)を追加するという流れが一般的です。
先ほど述べましたが、スタチンで約40〜50%LDLが低下します。よく、週刊誌や怪しいネットで医者が処方する薬で筋肉が溶けるなど不安を煽る情報を載せていますが、頻度は非常にまれで、自分の患者でも横紋筋融解症を経験したことのない医師もいると思います。
家族性高コレステロール血症の患者さんは一次予防の目標LDLは<100となります。
急性冠症候群、家族性高コレステロール血症、糖尿病、アテローム血栓性脳梗塞のいずれかを合併する 冠動脈疾患の二次予防(再発予防)では、LDL コレステロール 70 mg/dL 未満を目標に薬物療法を実施することを 推奨する。となっています。
注意: 当記事は患者さんへの理解していただく事を優先としている為、薬の細かな作用機序や例外事項などは省略しております。
4月から木曜日午前の診療を開始します。
定期診療に加えて、
かかりつけ患者さんのための動脈硬化症関連の健診日に当てようと考えています。
なかはら内科クリニックには高血圧・糖尿病・心不全・脂質異常症などの循環器疾患の患者さんが多数いらっしゃいます。
特に動脈硬化症の進展や循環器疾患にかかりやすい患者さんを対象にまとまった検査日を
予約制
として設けます。
詳しくはお電話、受付にお尋ねください。
*木曜日は感染症外来はございません。
2023.12.03
減塩食は降圧薬1剤分の効果!
先日、JAMAという有名な医学雑誌に、院長も研究に参加していたCARDIA研究から面白い研究結果が報告されました。
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2811931
高血圧には塩分感受性というものが個々に存在します。同じ、10gの食塩を摂取しても、人それぞれ血圧の上昇に違いがあるというものです。この研究は、中高年のアメリカ人を対象に、高塩分食(通常の食事に1日約5.6gの食塩を追加)と減塩食(1日約1.3gの食塩)を1週間づつ続けて血圧の変化量をみる研究でした。そして、高塩分食摂取時と比べ減塩食摂取時で平均血圧が5mmHg以上低下した場合を”食塩感受性あり”としてどれだけ低下するのかを観察した研究でした。
結論から申し上げると、
・高塩分食摂取時と比べ、減塩食摂取時に平均動脈圧が低下した割合は73.4%。
・”食塩感受性あり”は46%。
・通常食に比べ減塩食の摂取で、1日当たりの食塩摂取量が5.8g減少し、それに伴い収縮期血圧が6mmHg低下。
・高塩分食摂取群と減塩食摂取群の平均収縮期血圧差は8mmHg
この結果は、初診の高血圧患者さんに院長がまず、生活習慣改善、特に減塩からと伝えている事そのものです。
カルシウム拮抗薬であるアムロジピン5mgやサイアザイド系利尿薬であるヒドロクロロチアジド12.5mgを処方する際に、
必ず一言、
塩分約5gの減塩がこの内服薬1剤分の効果なのですよ。
と言って処方します。
日本人の塩分摂取量はアメリカ人よりも多く、塩分制限の効果がより出ることが期待されます。
そんな中、ラーメン好きの院長は1日3食ラーメン食にして血圧の変動を確認しようとしました。
結論は1週間持たず、2日目朝にして血圧上昇と腹部不快感と倦怠感を自覚し、高塩分食(本研究では1週間続けているのですが)から離脱しました。。。
家系ラーメンがダメだったのか。。煮干し系が合わなかったのか。。。もう、ラーメンは当分いらない状態になりました。さらに、若い時は塩分不感受性であったのに、高塩分量に反応して血圧上昇を垣間見てしまい、いろいろがっかりした週末でした。。。
みなさん、特に今年は飲み会シーズンで複数回の会食に出かけられる患者さんが多めにおられると実感しております。
外食は飲酒・塩分量が多くなり、更にシメのラーメンなんか食べてしまったらきっと、翌朝ひどいことに。。。
どうぞ、ご自愛くださいませ。
2023.11.02
運動の秋!やるぞベンチステップ運動!
なかはら内科クリニックです。
食食の秋、運動の秋ですね!
週末は娘と長野にハイキングに行ってきました。
子供達はテニスをしていて、その際にベンチステップトレーニングをしているですが、意外と家の中でも行えて簡便なので紹介しようと思います。
具体的なやり方は以下のNHKのリンクに動画がありますので、参考にしてみてください。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_60.html
<ベンチステップ運動の強さの目安>
基本は無理しない事です。最初は、10cmから始め、20cmの高さになるといいと思います。
最初は、10cmから始め、慣れてきたら高さを上げましょう。
脂肪が燃焼するに20分以上かかるといわれています。
最初は無理なのない時間(5分でも10分でも)から始め、20分以上を目標にしましょう。
4ステップで一回です。つまり、台に乗って、床に両足が戻るまでの1往復が1回となります。
一般の目安:1分間に20回 (およそ速歩:5メッツMETS)
低体力者:1分間に15回 (およそ速歩:4メッツMETS)
超低体力者:1分間に10回 (およそ速歩:3メッツMETS)
特に超低体力者で20cmの上り下りが困難な場合は、10cmの高さで1分間に15回を目指してみましょう。
<運動時間>
最初は無理なのない時間(5分でも10分でも)から始め、20分以上を目標にしましょう。
週3回以上(可能であれば毎日)、または週150分以上が目標です。
以下は運動強度の目安です。
2023.10.15
死亡に影響する修正可能な(改善したらリスクが減る)危険因子とは!?
今週、世界の臨床医学で最も権威のある医学雑誌から、非常に有用な研究が報告されました。
これは以前、院長のブログでも取り上げたトピックに近い内容です。
2型糖尿病患者の平均寿命について
喫煙でどれだけ寿命が短縮するのか?
を参照ください。
心血管疾患と死亡率に対する修正可能な危険因子の世界的影響 : NEJM 2023; 389:1273
34ヵ国の112のコホート研究(総勢約150万人)の10年後心血管イベント、死亡率を地域、年齢、性別で階層化して評価 し、
以下5つの項目が修正可能な危険因子と同定されました。
①BMI:肥満度
②収縮期血圧
③non-HDLコテステロール :LDLコレステロールや中性脂肪(TG)
④喫煙
⑤糖尿病
これらは今からでもコントロールしようと思えばできる項目です。
予防医学の大切さを示唆する研究でした。
先日告知していた体組成計を導入しました。
今まで、診察前に体重測定を実施し、体重、血圧、血糖値の推移を見ながら生活指導を行ってきましたが、体重だけでなく、体組成測定機を新規に導入します。
そうです。ジムに置いているアレです。
但し、正確性を担保するため医療機器として認可された機材を導入します。
実は体組成計は電気量販店にもあるようにピンキリの世界で、精密性・正確性を担保された医療機器としては日本には3種類しかないのです。
定期的に体重だけでなく、筋肉量や脂肪量を測定することにより、もっと患者さん健康に対する行動変容を促したいと考えています!
https://www.tanita.co.jp/product/business/bodycompositionanalyzer/410
2023.10.07
喫煙でどれだけ寿命が短縮するのか?
先日、イギリスで議会に紙タバコの「生涯禁止」法案を提出との報道がされました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7828362d0fb8ed9a8750c968cf58a19e0b961643
昨年、ニュージーランドでも紙タバコの「生涯禁止」法案が可決されています。
この背景に以下の論文があります。
禁煙でどれくらい寿命が延びるかという事に関して、
イギリスで約3万4千人の男性医師を50年追跡調査した報告です。
報告によると、
喫煙者は非喫煙者に比べ10年寿命が短いが、
18歳で喫煙開始として、
30歳までに禁煙すれば寿命はほぼ変わらない。
40歳で禁煙すると9年の寿命を稼げる。
50歳で6年の寿命を稼げる。
60歳でも3年の寿命を稼げる。
論文は、禁煙するのに遅すぎることはないと結論しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC437139/
また、ある報告では禁煙して7年後より非喫煙者と同程度の心疾患発症リスクになるとも言われています。
(COPDに至っているような呼吸器疾患は治りませんが。。)
もちろん
電子タバコの同じと考えられています。
喫煙は炎症を引き起こしてしまうので、動脈硬化症の進展や発癌とその進展に大きく寄与します。
以前、糖尿病の寿命の話をしましたが、一つ一つリスクを減らすことが大切ということがわかります。
高血圧・血糖・コレステロールのコントロールをしても、年齢や性別のリスクは拭えません。
さらにこれらのリスクをコントロールしていても喫煙していると元も子もないのです。
https://nakahara-naika.com/blog/category/diabetes/page/2
今年秋から来年度に、なかはら内科クリニックがバージョンアップいたします!
その1
今まで、診察前に体重測定を実施し、体重、血圧、血糖値の推移を見ながら生活指導を行ってきましたが、体重だけでなく、体組成測定機を新規に導入します。
そうです。ジムに置いているアレです。
但し、正確性を担保するため医療機器として認可された機材を導入します。
実は体組成計は電気量販店にもあるようにピンキリの世界で、精密性・正確性を担保された医療機器としては日本には3種類しかないのです。
定期的に体重だけでなく、筋肉量や脂肪量を測定することにより、もっと患者さん健康に対する行動変容を促したいと考えています!
https://www.tanita.co.jp/product/business/bodycompositionanalyzer/4102/
その2
超音波機械の変更です。
心疾患、甲状腺疾患、動脈硬化症などで役立つ超音波検査:エコーですが、携帯電話やパソコンと同じで日々進化しています。
その3のためでもありますが、診断精度を向上させるべく最新機種への変更・導入を決定しました。
https://jp.medical.canon/products/ultrasound/aplio_averifia
その3 予定
木曜日をかかりつけ患者さんのための動脈硬化症関連の健診日に当てようと考えています。
高血圧・糖尿病・心不全などの循環器疾患の患者さんがなかはら内科クリニックには多数いらっしゃいます。
特に動脈硬化症の進展や循環器疾患にかかりやすい患者さんを対象にまとまった検査日を
予約制
として設けます。
2023.07.16
再掲:夏の日常生活における水分と塩分の摂取について:熱中症予防と高血圧管理の観点から:再掲
本格的な夏の到来です。
メディアで「熱中症予防のために塩分摂取を!」という内容を目にすることがあります。
しかし、日本人の食塩摂取量は平均1日10グラム程度で,1日における塩分必要量をはるかに超えています。
高血圧の人は,原則として夏でも適切な減塩が必要で,1日6グラム未満が望まれます。
血圧が正常な人も高血圧の人も,水分は十分に摂ることが望まれます。環境省の熱中症予防情報サイトでは,1日当たり1.2リットルを目安としたこまめな水分補給を推奨しています。
詳しくは、日本高血圧学会のHPをご参照ください!
https://www.jpnsh.jp/general_salt_01.html
ttps://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000205703.pdf
水分摂取量の目安
2023.05.17
高血圧の日・世界高血圧デーです。
5月7日は高血圧の日・世界高血圧デーです。
高血圧が日本では約4300万人いると言われております。
こういう日だからこそ、一度、血圧を振り返ってみましょう!
https://www.jpnsh.jp/general_0517.html
なかはら内科クリニックは高血圧専門クリニックでもあります。
患者さんのみならず、地域の方々への啓蒙活動や、医師同士の高血圧に対しての理解をお互い深める活動をしております。
本日はその一環として、講演会の座長をしてきます。
2023.02.27
転居に伴う医師・医療施設探し
なかはら内科クリニックです。
もう直ぐ春を迎え、新生活の季節になります。
それに伴い転勤・転居で当院から他施設に紹介する機会も増えてきました。
折角、いい関係になれたのに、本当に寂しい季節です。
転居先の医療施設探しにみなさん苦慮されているようです。
知り合いに紹介できればそれに越したことはないのですが、遠方であるとそうはいきません。
一緒に、ホームページを参考に探すこともあります。
ネットの口コミって意外と当てにならないもので、この業界では平均3.5に落ち着くと言われております。なので、それよりも高いとか、低すぎるといろいろ感じるものがあります。
家族や会社友人などの知り合いからの紹介の方が実は良かったりしますよね。
以前も書きましたが、クリニックはいろいろ標榜しておりますが、実はその病気の専門医ではないことが多々あります。
転居後、最終的に医師患者関係の折り合いの合うところに落ち着くのですが、
最初に行くべき医療施設の提案をしたいと思います。
それぞれクリックするとリンクに接続します。
・高血圧・脂質異常症・カテーテル治療後・不整脈であれば
→循環器専門医
・高血圧であれば
→高血圧専門医
・糖尿病・糖代謝異常・肥満症・脂質異常症であれば
→糖尿病専門医
→日本糖尿病協会
・逆流性食道炎・胃大腸ポリープであれば
→日本内視鏡学会
・肝機能障害であれば
→日本肝臓学会
・甲状腺疾患、内分泌疾患・脂質異常症であれば
→内分泌専門医
→甲状腺学会
・脳梗塞・脳出血後、パーキンソン、頭痛であれば
→神経内科専門医
・内科一般であれば
→総合内科専門医
以前、朝の血圧上昇は脳梗塞・心筋梗塞の危険因子であるというお話をしました。
これに関連して、これって?大丈夫?脳梗塞なの?というお話をしようと思います。
みなさん、
「FAST(ファスト)」
という言葉はご存知でしょうか?
これは脳梗塞の症状を示唆する大切なサインです。
Fは、「face:顔」 顔の左右の半分が動かなくなって、口元が下がってくる。イーという表情をしても、左右半分の口角のシワがない。おでこにシワを寄せようとしても、片方はシワがよらない。
Aは、「arm:腕」 体の片方の手足が動かない、力が入らない。前へならえの姿勢で腕が下がってしまう。
Sは、「speech:発語」 話そうとしても呂律(ろれつ)が回らない、らりるれろ、パピプペポ、るりもはりもてらせばひかるが言えない。言葉がでない。
Tは、「time:時間」 これらの症状に気づいたら、すぐに受診する!
です。
朝起きて、あれ?なんか変だぞと本人、もしくはご家族が気づかれるかもしれません。
でも、もう少し様子を見てみようと半日様子を見てしまいがちです。
もし、脳梗塞の症状であるならば、発症後6時間以内であれば脳血管治療を受けることができ、その後に残るであろう麻痺症状を比較的軽度にとどめることが可能になります。
つまり、もう少し様子を見てみようは症状が続くのであれば数時間までと決めて、迷うようなら医療機関に相談する方が宜しいと思います。
また、
一過性脳虚血発作:TIA(Transit Ischemic Attack)
といって、一時的に脳に血流が流れなくなって、手足のしびれやまひなどが短時間で現れて消える状態があります。
例えば、一瞬、体の力が抜けたが数分でよくなった。といった症状が起きたら、24~48時間以内に大きな脳卒中が起きる警告発作かもしれません。
なので、症状が軽快したからいいと考えず、持病に高血圧・脂質異常症・糖尿病や喫煙といった動脈硬化症の危険因子があれば1-2日は用心した方がいいと思います。
ご自身が、動脈硬化症に伴う脳血管疾患に罹患しやすいかを計算することができるサイトが
日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾患発症予測ツール(一般向け)
にございます。
ぜひ、ご活用くださいませ。
2023.01.28
生活習慣病の治療中断による再出発(再治療):再掲と追記
今月になり、昨年春から夏を最後に未受診となって、症状・病態悪化で再受診となる患者さんが多くいらっしゃいました。
実は、当院は3ヶ月以上の未受診患者さんのリストを作成し、院長の私はご連絡しようかと、いつも悩みながらリストをみています。
受診する・しない、は患者さん個人の選択なので、強制的に受診させるような権限はございません。
でも、血圧コントロールのために必要な血圧の薬を飲まずにそのまま過ごすと、高齢になればなるほど心不全や脳出血、腎疾患(腎臓は一度機能が低下すると元に戻りにくいです。)などの重篤な状態に陥る頻度が高まります。また、糖尿病という病態も同様に、定期的なメンテナンスをしないと症状が出た時はそれなりの状態になっている事があります。
過去に生活習慣病の治療中断による再出発という記事を書きました。
将来のご自身のために、啓発という意味も込めて、再掲しようと思います。
ここ最近、
以前治療していたが、引越しや転勤、コロナ不安、もういいかなという心情で継続治療を中断し、検診などで悪化を指摘され再受診となる患者さんが増えてきています。
医療者は患者さんが継続通院しなくなることをlost follow(ロストフォロー)と言います。
特に、糖尿病、甲状腺疾患、高血圧は症状が悪化するまで病状進行に気が付きにくいため、lost followになってしまうと腎機能や心機能の悪化などの合併症が生じてしまっていることが多々見受けられます。
再治療は患者さん自身、そしてわれわれ医療者にも大きな負担(精神的にも、時間的にも、費用的にも)となります。
継続治療は高齢化社会において、いかに臓器を若々しく保たせ、自分らしく生活するために必要なことの一つです。
もう直ぐ春になると転居/転勤の時期になります。どうぞ、lost follow せず継続治療を行ってください。
厚生労働省と日本糖尿病協会が協力して制作した糖尿病啓発冊子 「糖尿病の治療を放置した働き盛りの今」という冊子があります。不安を刺激して通院してもらおうということではありません。自分の健康に目を向けて頂きたいという気持ちです。
https://www.nittokyo.or.jp/uploads/files/enlightenment_2020.pdf
数十年後の自分を想像しながら継続治療を行っていただければと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=BfV8ttQYElA
2022.12.11
冬はお塩の取り過ぎにご注意を
とうとう朝は10度を下回ってきましたね。
鍋やおでん、汁物の美味しい季節になってきましたね。
以前、冬に血圧が上昇するメカニズムの話をしましたが、今回は塩分摂取量についてお話ししようと思います。
https://nakahara-naika.com/blog/category/highbloodpressure
みなさんもご存知と思いますが、
塩分が同じ場合、私たちの舌は
温度の暖かいと薄く感じ、冷たいと濃く感じるようになっております。
暖かい鍋や汁物が食事に出てきますが、薄いと感じていても、実は塩分が結構含まれているという落とし穴がございます。ご注意くださいませ。
2022.10.30
冬になると血圧上昇します。ご注意ください。
なからは内科クリニックに定期受診している患者さんに対して自宅での血圧測定を推奨しています。
スタッフ一同、リラックスした環境を提供しようと勤めておりますが、やはり、クリニックという環境では緊張して血圧が上昇してしまうことがあり、そのような白衣高血圧症との鑑別を高血圧の診断・治療では必要であるので家庭血圧の測定をお願いしています。
10月中旬から朝の気温も10度前後になることもあり、定期外来の患者さんの家庭血圧が上昇傾向にあるようです。
なぜ、寒くなると血圧が上昇するのでしょうか?
とよく質問されます。
気温が低下していくと、体温を外部に逃げない(放熱しない)ように、細い血管(末梢血管)が収縮します。
収縮すると血管内腔が小さくなり、血液を手足に送るために大きな力が必要になります。これを、末梢血管抵抗が大きくなる、といいます。末梢血管抵抗が高まるため、血圧が上昇するのです。
一般的に、夏と比べ冬は収縮期血圧(上の血圧)が7~10mmHg上昇すると言われています。
人によってはもっと変化する人もいます。この変化のタイミングが人それそれ違うので、家庭血圧測定を当院では推奨しているのです。
夏に内服を中止し、生活療法のみで治療していた患者さんが当院に多数います。しかし、気温低下とともに、特に朝の血圧を適切に保つために内服を再開することが多くなってきたように感じます。
なかはら内科クリニックに1-2年以上通院している患者さんは、血圧手帳が第5分冊目くらいになっており、ご自身で血圧の解釈ができるようになってきました。
去年はこの時期に高くなってきたとか、去年はコロナ太りで昨年以上に血圧が高かったとか、今は生活に配慮し、内服している薬剤数が昨年の今より2剤から1剤のみになったとか、いろいろ気づきがあるようです。
よく、巷では内服が始まったら一生だ。
と囁かれているようですが、一部の病態を除いて、そうではないんだということを説明していますが、当院の患者さんは、そのことを実感しておられるようです。
冬は血圧が上昇してきます。特に夜よりも朝の方が血圧が高い傾向にある人は要注意です。
塩分・飲酒量、睡眠の質などのの見直しが必要です。
それでも改善しないときは、いつでも当院スタッフにご相談ください。
#高血圧 #なかはら内科クリニック #冬に血圧高い #武蔵中原 #元住吉 #武蔵小杉
2022.07.02
暑い夏におすすめ自宅でフィットネス
コロナで在宅時間が増えてきた、運動したいけど暑くて外に出れない。。。
そんな方の選択肢として
Fit-eNce Home™
というものがあります。
ゴムチューブとアプリで運動を管理し、月に1度パーソナルトレーナーがつくというサービスです。
椅子と一畳程度の広さがあれば行えました。
当院で重症の睡眠時無呼吸の患者さんの相談が増えてきました。
実際にCPAP治療をおこなっている患者さんも多数おられます。
そんな背景があり、循環器専門医や高血圧専門医でも治療をカバーできますが、
より知識を深めようと一般社団法人 日本睡眠総合検診協会が主催する、CPAP療養士の勉強をして資格を得ることができました。
当院は患者さんの症状改善が良く、継続率が高い傾向にあります。
今後、睡眠時無呼吸症候群で困っている患者さんに適切な治療をより深くできればと考えております。
2022.02.23
院長が協力した論文が発表されました.
院長が協力した論文が学術誌:Renal Replacement Therapyで発表されました.
透析患者の動脈硬化進展の表現である大動脈石灰化の進展度合い解析すると、
大動脈石灰化が強くなるほど、心血管疾患だけでなく、感染症や栄養失調に関連する死因が増大することを示した研究です。
検診で大動脈に石灰化を指摘される患者がおられます。
その石灰化の量が増大するほど心血管疾患による死亡率が上昇するというメッセージです。
動脈硬化症が進展してしまうと石灰化の状態になります。
動脈硬化症予防は血圧・脂質・血糖・体重コントロールです。もちろん、禁煙もしなければなりません。
血管含め臓器を若々しく保ちながら加齢していければいいですね。
なかはら内科クリニックは高血圧だけでなく糖尿病専門クリニックでもあります。
糖尿病の血糖コンロトールだけでなく血圧・脂質管理をすることにより、糖尿病の最大の合併症である透析療法を回避すべく、日々患者さんと共に頑張っております。
https://rrtjournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s41100-022-00394-8
2022.01.30
高血圧症の血圧計の数字上の管理について
久しぶりにコロナ関連でないことを書こうと思います。
本当は趣味であるカブトムシやクワガタの飼育や最近、子供と取り組んでいることを書きたいのですが、日々刻々と変化する医療情勢に時間を取られてなかなか、書けません。。。
ご家族でギラファノコギリクワガタを幼虫から飼育してみたいという方がいらっしゃいましたら、お声がけください。
ところで、本日は
「なかはら内科クリニック」
の得意とするものというお話をしようと思います。
多数専門医資格を持っていますので、いろいろ得意分野はございますが、その中で罹患率の高い高血圧症について。
特に
高血圧症の数字上の管理
についてお話ししようと思います。
結論から申し上げると
一般的に血圧は低ければ低いほどいい。
です。
家族などに高血圧症がいる。血圧を測定して、わかっちゃいるけど自分がなってしまった時にどう対応していいかわからない代表的な病気の一つと思います。
だって、症状ないし。数字だけ測ると高いので数字で病名がついている印象?
そう感じている患者さんが大多数ではないのでしょうか?
今、日本は高齢化社会に突入しております。そして、医療を等しく受けることができ、生活(生命?僕たちはクオリティオブライフ:QOL)の質を考えなければ、いろいろな意味で長生きすることができる状況と考えられます。
生活の質って?高血圧・糖尿病・脂質異常症などは症状がでません。でるのは10-20年後に脳梗塞や脳出血、狭心症や心筋梗塞として症状が出てしまいます。よく生命保険加入の際に、3大疾患として取り上げられているのはこれらです。つまり、健康を害して生活の質が著しく低下してしまうからです。
血圧は血管に加わる圧力です。
心臓が1分間に60〜70回の脈拍を打っているとすると、
1日で86400~100800回脈拍を打っている。
ということになります。
想像してみてください。
血圧が高いと体に血液を送り出す心臓と血管に、その脈拍数だけ負担をかけているような感じ。
腕立に例えるならば背中におもりを乗せてた状態で筋トレしている感じ?
バテますよね。。。
それを心臓に当てはめると筋肉の臓器である心筋が肥大して
心肥大→心不全
血管だと血管が拡張して動脈瘤
そして、
血管がこすれて動脈狭窄→閉塞になる狭心症・心筋梗塞、脳梗塞
圧力が加わりすぎて破裂する 脳出血
なので、
血圧は低ければ低いほどいい。
なのです。
さらに、
血圧変動はない方が好ましい。
年末年始にいつもより血圧が上昇した。と相談を受けることが多々あります。
1日を通して、そして、年間を通して血圧を低め安定する。
当院では、そのために食事指導や運動療法を積極的に患者さんに指導しています。
それでも、血圧が上がってしまう場合は、
冬だけ薬に助けてもらって1年間の変動をないようにする。
というようにしています。
なかはら内科クリニックで初夏から秋にかけて血圧コントロールが良く、生活療法のみという患者さんが多数いらっしゃいます。
栄養士、看護師さんたちが一生懸命患者さんの実生活を考え、気付きを与えてくださり、患者さんの行動変容が徐々に行われていっている証拠でもあります。
先生、血圧は生活だけでコントロールできてしまうよね。
って半年も通院する患者さんに言ってもらえた時。
僕は心の中でガッツポーズをしているわけです。
もちろん、そんな患者さんは通院間隔も長いし、好循環。
一方で内服していないと血圧が安定していない患者さんもいます。
コロナの影響で在宅で運動不足、塩分が大好き、飲酒大好き、仕事が忙しい、
理由は多数あります。
我々は行動変容できる機会が来るまで、忍耐強く待っています。
でも、高血圧に伴う合併症が出ないように、年間通して血圧を安定できるよう、原因に基づいた内服薬を選択して使用してもらうようにしています。
高血圧を専門にしている院長は大のラーメン好き。
月に一度はご褒美と称して
武蔵小杉界隈のラーメン屋に出没しています。
いつも、塩分制限しましょうねといっている身からすると、矛盾していますよね。
でも、人間ですもの。
時にはOK。
お誕生日などの祝い事、年末年始、会社の行事
当院はそういった日は思う存分気にせずに楽しんでくださいとみなさんにお伝えしております。
あれもダメ、これもダメとは言いません。
もちろん、患者さんに対して健康に関して叱ったり、ダメ出し医療は一般的には行いません。
我々は患者さんの生活を通して健康に対する気付きを期待し声かけをして、ほんの小さい意識の変化や生活行動の変化が起こってくれればと思いながら診療をしています。
オンオフをしっかりして、ダラダラ続けない。
血圧を低く、値の振れ幅を小さくしていく。
そんな生活をしていっていただければと考えています。
先日、高血圧専門医として日本高血圧学会に出席いたしました。
当院でも一定数いらっしゃる、高アルドステロン症や境界域アルドステロン症、MR関連高血圧症についての発表が印象的でした。
当院でも若年成人発症の高血圧や多種類の薬剤を内服していても血圧コントロールに難渋している高血圧症の患者さんがなかはら内科クリニックに相談に訪れます。
その際に、必要に応じて高血圧専門クリニックならではの二次性高血圧の検査を実施しております。
二次性高血圧とは?
高血圧の大半は生活習慣や遺伝要因による発症する本態性高血圧ですが、中には他の疾患が原因で血圧が上昇する二次性高血圧があります。高血圧患者さんの10〜15人に1人程度が二次性高血圧であると言われていますが、実際に二次性高血圧と診断されている高血圧患者さんはそれよりも少なく、二次性高血圧の多くが本態性高血圧として治療をされているのが現状です。二次性高血圧の診断が重要である理由は、その原因となる疾患に対する治療を行うことで高血圧や高血圧に伴う合併症が改善する可能性があるためです。高血圧は長期間治療薬を飲み続ける必要がある生活習慣病であり、その初期段階で二次性高血圧を発見し適切に治療することは極めて重要なのです。
なかはら内科クリニックの治療スタイル
なかはら内科クリニックでは、患者さんの病歴や生活歴を細かく聞いて、必要に応じてスクリーニング検査を実施いたします。中には今まで内服治療をしていたけど、当院に相談し睡眠時無呼吸症の診断となり、薬物治療でなく、CPAP治療で血圧コントロールが可能になった患者さんや、そもそも、体重が問題であり、体重減量することにより薬やCPAPもいらなくなった患者さんもいらっしゃいます。
血圧という指標は一つですが、原因は患者さん一人一人違います。
その原因を見定めて治療することにより、血圧コントロールを図るのです。
冬は気温が下がり、血圧コントロールに難渋する季節でもあります。かかりつけの患者さんと話し合い、どのように自分らしい生活を保ちながら血圧コントロールしていくか決定していければと思いながら診療しています。
今週末は高血圧学会主催の第9回高血圧フォーラムがありました。
今年はコロナの影響もありオンラインでの開催となりました。
我が国では脳心血管病による死亡原因として高血圧症が最大のリスクとされております。
その高血圧のコントロールをいかにうまく生活に落とし込めるかが発症予防のカギとなります。
高血圧専門医とは、わが国最大の Common disease である高血圧を切り口とした 脳心血管疾患の一次予防・二次予防のプロです。
一般的な内科クリニックでは内科を標榜していおり、高血圧診療も含まれておりますが、実際に深く診療に当たるという意味では、高血圧専門医による判断が欠かせません。
高血圧専門医は難治性高血圧、二次性高血圧、妊娠高血圧、高血圧緊急症・切迫症など特殊な高血圧の診断・治療も可能となります。
神奈川県の内科系診療所数は3799です(2018年11月現在の地域内医療機関情報の集計値)。
高血圧専門医は全国で946人(2020年11月現在)、
神奈川県では62人しかいません。
なかはら内科クリニックもその専門施設の一つです。
是非、ご利用・ご相談いただければと思います。
先ほど紹介しました、高血圧フォーラムでの教育講演でも印象的な発表がありました。
日本には約4300万人の高血圧症患者がいます。
しかし、
特定健診の未受診率が44%と高く、
自身が高血圧であるという事を知らずに未治療である率が33%(1400万人)、
高血圧であるという事を知っていて治療を受けていない人が11% (450万人)、
合計 44%が適切な治療を受けていないということになるようです。
是非、毎年実施されている特定健診を受けて、必要に応じて生活療法を含めた治療の提案を受けていただければと
思います。