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当院には、糖尿病療養指導士の資格を持つ管理栄養士が3名在籍しており、そのうちの一人が待合室に掲示している栄養指導のポスターを作成しています。いつも患者さんからご好評をいただいておりますので、今回、お知らせの欄でもご紹介させていただきます。
本日から第一診察室と第二診察室の間にある掲示板にポスターを掲示しております。今回のテーマは「フレイル」です。以前、院長ブログでも取り上げたテーマですが、
今回は特に栄養面からのアプローチに焦点を当てています。 ご来院の際は、ぜひお立ち寄りいただき、ご覧ください。
2024.08.15
病院紹介!ドクターズファイル内容改訂しました。
こんにちは。いつもなかはら内科クリニックをご利用いただきありがとうございます。
先日、ドクターズファイルで取材を受けた内容を新しく改訂しました。2017年から現在までの間に、クリニックの方向性や患者さんのニーズが変わってきたため、今の状況に合った内容に更新しています。
特に、初めて当クリニックのホームページを訪れる方々は「このクリニックはどんなところだろう?」と不安に感じることもあるかと思います。そうした方々に安心していただけるよう、当院が得意とする診療内容をより具体的にお伝えすることにしました。
私たちは、糖尿病や循環器の病気、高血圧、内科一般の診療を専門としています。 これらの分野でどのように患者さんをサポートしているのかを、分かりやすくご紹介しています。
なかはら内科クリニックが目指していること、そして得意としていることを知っていただければ、より安心して診療を受けていただけると思います。ぜひ一度、記事をご覧ください。
記事は こちらからご覧いただけます 。
2024.08.13
体重減量するには?!ダイエットについて。
暑い日々が続いていますね。当院は1週間夏季休暇をいただいております。 家族との時間を過ごせることに幸せを感じています。 その中で食事摂取量がやや多くなっていることに気がつき、家族の会話でよくある 「それ食べたら太っちゃうよ」 の仕組みを医学的に解説しようと思います。 実は、休みをいただいている中でChatGPTをマスターしようと一生懸命になっており、 僕とChatGPTとの共同作業で解説したいと思います。
エビデンスに基づいて、1年後の体重減少に最も効果的な食事方法について説明しますね。
1. カロリー制限食
カロリー制限食は、総摂取カロリーを減らすことにより、体重を減らす基本的な方法です。この方法に関する研究は多く、長期にわたる体重減少に対する有効性が証明されています。
エビデンス : 多くの研究が示すように、持続的なカロリー制限は、他の食事法と比較して、安定した体重減少をもたらします。特に、1年以上にわたる追跡調査では、カロリー制限が持続的な体重減少をもたらし、リバウンドのリスクを低減することが確認されています 。
2. 糖質制限食
糖質制限食は、炭水化物の摂取量を大幅に減らすことで、体がケトーシス状態に入り、脂肪を主要なエネルギー源として利用する方法です。
エビデンス : 初期の体重減少が速いことで知られており、1年間での体重減少効果も高いとされています。例えば、あるメタアナリシスでは、低糖質ダイエットが他の食事法に比べて1年後の体重減少において優れているという結果が得られました 。ただし、長期にわたる持続性や健康への影響については議論が続いています。
3. 脂質制限食
脂質制限食は、食事中の脂肪の摂取量を制限することで、カロリーを減らし、体重を管理する方法です。
エビデンス : 脂質制限食は、心血管疾患のリスクを減らす点で健康的とされ、長期的な体重減少にも効果があります。いくつかの研究では、脂質制限が1年以上の追跡で安定した体重減少をもたらすことが示されています 。
結論
エビデンスに基づくと、カロリー制限 は、最も安定して長期的な体重減少が期待できる方法とされています。一方で、糖質制限 は、短期的には最も早い結果が得られる可能性が高いですが、長期間続けるのが難しい人もいます。脂質制限 は、特に心血管系の健康を重視する場合に効果的です。
したがって、個人の状況や健康状態に応じて、これらの方法を組み合わせることが理想的です。
1年間という期間を見据えた場合、カロリー制限を基本としつつ、個々のニーズに合わせて糖質や脂質の制限を取り入れると良いでしょう。
参考文献 :
Hall, K. D., et al. (2015). Calorie restriction and the metabolic syndrome . Cell Metabolism.
Mansoor, N., et al. (2016). Effects of low-carbohydrate diets on weight and cardiovascular risk factors: a meta-analysis of randomized controlled trials . British Journal of Nutrition.
Toubro, S., et al. (1997). Body weight, body composition, and metabolic rate during a diet high in carbohydrates and low in fat compared with a diet high in fat and low in carbohydrates . International Journal of Obesity.
Q: 一番リバウンドしやすいものはどの方法ですか?
リバウンドしやすさについては、ダイエット方法の持続可能性や個人の習慣が大きく影響します。各食事法のリバウンドリスクをエビデンスに基づいて説明します。
1. 糖質制限食
リバウンドリスク : 糖質制限食は、最もリバウンドのリスクが高いとされています。 理由としては、糖質を急激に制限することで初期の体重減少が速い一方、日常的に糖質を制限し続けることが難しいため、食事に糖質を再導入した際に体重が戻りやすいことが挙げられます。また、制限が厳しいため、心理的なストレスが溜まりやすく、ダイエット終了後に過食に繋がりやすい傾向があります。
2. カロリー制限食
リバウンドリスク : カロリー制限食は、適度なカロリー摂取を維持できればリバウンドリスクは比較的低いです。しかし、極端にカロリーを制限しすぎた場合、体が飢餓状態に適応し、基礎代謝が低下するため、ダイエット終了後に通常の食事に戻すとリバウンドしやすくなる可能性があります。
エビデンス : カロリー制限が緩やかであれば、リバウンドリスクは低いとされますが、極端な制限はリバウンドの原因になることが示されています 。
3. 脂質制限食
リバウンドリスク : 脂質制限食は、適度な脂質制限であればリバウンドリスクは低めですが、脂肪の摂取を極端に制限すると、食事の満足感が得られず、過食につながることがあります。また、脂質はエネルギー密度が高いため、再び脂質を摂取するとカロリーオーバーになりやすいというリスクがあります。
エビデンス : 脂質制限は、過度でない限りリバウンドリスクは低いですが、長期間の低脂質食は食事の満足感が減り、ダイエット終了後に脂質の摂取量が増えることでリバウンドする可能性があります 。
結論
最もリバウンドしやすいのは糖質制限食 です。これは、厳しい制限が続けにくく、糖質を再導入した際に体重が戻りやすいためです。リバウンドを防ぐためには、極端な制限ではなく、バランスの取れた食事と持続可能なダイエット方法を選び、健康的な食生活を維持することが重要です。
参考文献 :
Sumithran, P., et al. (2011). Long-term persistence of hormonal adaptations to weight loss . New England Journal of Medicine.
Dansinger, M. L., et al. (2005). Comparison of the Atkins, Ornish, Weight Watchers, and Zone Diets for weight loss and heart disease risk reduction: a randomized trial . JAMA.
Tomiyama, A. J., et al. (2010). Weight regain after a diet is predicted by higher baseline cortisol and greater stress-induced cortisol reactivity . Psychosomatic Medicine.
Q: 糖尿病患者に効果的な食事方法はどれですか?
糖尿病患者にとって効果的な食事方法は、血糖値を安定させることを目的としたものです。特に、2型糖尿病の管理においては、以下の食事法が効果的とされています。
1. 糖質制限食
特徴 : 糖質制限食は、炭水化物の摂取量を制限することで、血糖値の急上昇を抑えます。糖尿病患者にとって、食後の血糖値のコントロールが重要であるため、糖質制限は有効な方法の一つです。
エビデンス : 複数の研究で、糖質制限食が血糖値の改善に寄与し、インスリン感受性を向上させることが確認されています。また、体重減少にも効果があり、それがさらに血糖コントロールにプラスの影響を与えます【1】。
2. 地中海式食事
特徴 : 地中海式食事は、オリーブオイル、魚、野菜、全粒穀物、ナッツなどを中心とした食事法です。糖質を過度に制限するわけではありませんが、良質な脂肪や繊維が豊富で、血糖値を安定させやすい食事法です。
エビデンス : 地中海式食事は、糖尿病患者の血糖コントロールを改善する効果があり、心血管疾患のリスクを低減することも示されています。また、この食事法は持続可能であり、長期的な健康維持に役立ちます【2】。
3. 低カロリー食
特徴 : 総カロリーを制限することで、体重を減少させるとともに、インスリン感受性を改善し、血糖値を管理しやすくします。肥満が糖尿病の進行を促進するため、体重管理は非常に重要です。
エビデンス : 低カロリー食は、特に肥満のある糖尿病患者において効果的であり、血糖値のコントロールに寄与することが示されています【3】。
結論
糖尿病患者にとって最も効果的な食事法 は、血糖値の安定を図る糖質制限食 と、持続可能で心血管リスクを低減する地中海式食事 です。どちらも血糖コントロールに優れており、患者のライフスタイルや好みに合わせて選択することが推奨されます。また、食事療法は必ず医師や管理栄養士と相談して進めることが重要です。
参考文献 :
Feinman, R. D., et al. (2015). Dietary carbohydrate restriction as the first approach in diabetes management: Critical review and evidence base . Nutrition.
Esposito, K., et al. (2009). Mediterranean diet and reduction of cardiovascular disease risk . The New England Journal of Medicine.
Wing, R. R., & Phelan, S. (2005). Long-term weight loss maintenance . American Journal of Clinical Nutrition.
健康を害する気温になってきましたね。 こんな暑さの中、テニスをしたら、不覚にも熱中症になってしまいました。飲水しているつもりなのですが、つもりは危険ですね。 今回は、薬の飲み忘れを防ぐための対策について、わかりやすく説明しますね。
1. 飲み忘れを防ぐための方法
タイマーやアラームを使う :
スマートフォンや時計のアラーム機能を使って、薬を飲む時間にアラームを設定しましょう。
毎日のルーチンに組み込むと良いです。例えば、朝食後や就寝前など。
ピルオーガナイザーを使う :
薬を曜日ごとや時間ごとに分けて保管できるピルオーガナイザーを使うと便利です。
週に一度、予め薬を分けておくことで、飲み忘れを防ぎやすくなります。
薬のリストを作成する :
服用する薬の名前、用量、飲む時間をリストにまとめておきましょう。
冷蔵庫や目につく場所に貼っておくと良いです。
家族や友人に協力してもらう :
家族や友人に、薬を飲む時間を確認してもらうようにお願いするのも有効です。
お互いに声を掛け合うことで、飲み忘れを防ぐことができます。
スマートフォンアプリを活用する :
薬の飲み忘れを防止するためのアプリが多数あります。これらを利用すると、通知機能で飲む時間を知らせてくれます。
2. 飲み忘れた場合の対処法
気づいた時点ですぐに飲む :
飲み忘れに気づいたら、できるだけ早く薬を服用しましょう。
ただし、次の服用時間が近い場合は、次の服用時間まで待つこともあります。
医師や薬剤師に相談する :
飲み忘れが頻繁にある場合や、どうしても飲む時間に間に合わなかった場合は、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
3. 継続するための心構え
薬の重要性を理解する :
薬を定期的に服用することが、病気の治療や予防にとって非常に重要であることを理解しましょう。
自分の健康管理の一環として、意識して取り組むことが大切です。
<薬の飲み忘れを防止するための具体的なスマートフォンアプリをいくつか紹介します。>
1. MediSafe (メディセーフ)
特徴 : 薬のリマインダー機能が充実しており、家族や友人と情報を共有する機能もあります。服薬履歴を記録し、医師との情報共有も簡単に行えます。
対応OS : iOS、Android
2. MyTherapy (マイセラピー)
特徴 : 薬のリマインダーに加え、健康日記や症状の記録もできる総合的なヘルスケアアプリです。服薬管理の他、医師の指示に従った健康管理をサポートします。
対応OS : iOS、Android
3. Pill Reminder – All in One
特徴 : 簡単な操作で薬のリマインダーを設定できるアプリです。複数の薬を管理でき、通知機能がしっかりしています。
対応OS : iOS
4. CareClinic (ケアクリニック)
特徴 : 薬のリマインダーに加え、健康管理やフィットネスの追跡、症状の記録などができる包括的なヘルスケアアプリです。医療記録の保存も可能です。
対応OS : iOS、Android
5. Dosecast (ドースキャスト)
特徴 : オフラインでも動作し、時差のある旅行中でもリマインダーが機能します。薬の管理に特化したアプリで、服薬履歴の記録も簡単にできます。
対応OS : iOS、Android
これらのアプリを活用することで、薬の飲み忘れを効果的に防ぐことができます。ご自身のライフスタイルやニーズに合ったアプリを選んで活用してください。何か質問があれば、いつでもお知らせください。
<薬の飲み忘れを防ぐためのさらなる具体的な対策法をいくつかご紹介しますね。>
1. ビジュアルリマインダーを設置する
ポストイットを活用 :
薬を飲む時間や場所にポストイットを貼ることで視覚的にリマインドできます。
例えば、冷蔵庫のドアや洗面所の鏡など、日常的に目にする場所に貼ると効果的です。
2. 日常のルーチンに組み込む
特定の行動に結びつける :
毎日の習慣と結びつけて薬を飲むようにします。 例えば、朝食後や歯磨きの後など、既に定着している行動と一緒に薬を飲む習慣を作ります。 院長は歯磨き後に服用して飲み忘れを防止しています。お口がスッキリした後の内服はおすすめです!
3. 家族や友人と協力
サポートシステムを作る :
家族や友人と協力して、お互いに薬を飲む時間を確認し合うことも効果的です。
定期的な確認電話やメッセージのやり取りも良い方法です。 高齢者で認知症の患者さんは家族のサポートが非常に大切です。 飲んでおいてね!ではなく。電話しながら服用すると確実性が増しますね。
4. 視覚的なカレンダーを使う
カレンダーに記録する :
月ごとのカレンダーを用意し、薬を飲んだ日にはチェックを入れることで視覚的に管理できます。
これにより、飲み忘れが一目で分かります。
5. 服薬チェッカー
アナログな方法を使う :
薬を飲むたびにチェックを入れる紙のリストを用意する方法もあります。
簡単な表を作り、日付と服薬時間を記録するだけで飲み忘れを防ぎやすくなります。
6. タイムロック付きのピルケース
タイムロック機能付き :
決まった時間にのみ開くピルケースを使用することで、適切な時間に薬を飲むことを促進します。
特定の時間にしか開かないため、飲み忘れを防ぎやすくなります。
7. リマインダー機能付きのデジタルデバイス
スマートウォッチやデジタルアシスタント :
スマートウォッチやデジタルアシスタント(例:Amazon Alexa、Google Assistant)のリマインダー機能を活用するのも有効です。
音声や振動で通知してくれるため、気づきやすくなります。
8. 定期的なレビュー
定期的に確認する :
薬の服用状況を定期的に振り返る習慣を持つと良いです。毎週や毎月、薬がきちんと飲めているか確認します。
必要に応じて、飲み忘れ防止策を見直します。
これらの対策を組み合わせて、自分に合った方法を見つけることで、薬の飲み忘れを効果的に防ぐことができます。何か不明な点や相談がありましたら、いつでもお知らせください。
2024.07.14
なんで高血圧じゃないのに高血圧の薬?なんで糖尿病じゃないのに糖尿病の薬?一剤2役!3役!複数の効果を示す薬剤について
ときどき、他院通院中の患者さんが患者さんご自身のかかりつけクリニックで処方されている薬について相談のために、糖尿病・高血圧専門クリニックである なかはら内科クリニックに来院されます。
なんで高血圧じゃないのに高血圧の薬なんですか? なんで糖尿病じゃないのに糖尿病の薬なんですか?
処方箋を持参し薬局に行くと、薬剤師から色々説明を聞いたり、薬剤情報説明書を見て、あれ?自分は高血圧ではないのにとか、糖尿病じゃないのにと感じて不安になり相談になることが多いです。
きっと、かかりつけの先生の説明不足かなかなか伝わりづらいことが原因なのでしょう。 当院かかりつけ患者さんでもたまにこのようなエピソードがあります。 説明しているつもり。。なのですが。反省。。 今日は一剤2役!3役!複数の効果を示す薬剤について説明しようと思います。
<高血圧のくすり>
ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)
1. 高血圧治療 :
効果 : 血管を拡張させることで血圧を下げます。
メカニズム : アンジオテンシンIIという血管を収縮させる物質の生成を阻害します。
2. 腎保護作用 :
効果 : 腎臓の機能を保護し、慢性腎臓病の進行を遅らせる効果があります。
メカニズム : 血圧や糸球体内圧を下げることで腎臓への負担を軽減し、さらに腎臓の血流を改善します。
3. 慢性心不全 :
効果 : 心臓のリモデリング(心臓の形状や機能の変化)を防ぎ、心不全の症状を改善します。
メカニズム : 血圧の低下と共に、心臓の負担を軽減し、心筋の保護効果があります。
ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)
1. 高血圧治療 :
効果 : 血圧を下げます。
メカニズム : アンジオテンシンIIが受容体に結合するのを阻害し、血管を拡張させます。
2. 腎保護作用 :
効果 : 慢性腎臓病の進行を遅らせる効果があります。
メカニズム : 血圧や糸球体内圧を下げることで腎臓への負担を減少させ、腎機能を保護します。
3. 慢性心不全 :
効果 : 心臓のリモデリングを防ぎ、心不全の症状を改善します。
メカニズム : 血圧の低下と共に、心臓の負担を軽減し、心筋の保護効果があります。
まとめ
ACE阻害薬とARBは、単に高血圧を治療するだけでなく、腎臓や心臓の保護にも役立つ薬です。これにより、患者さんの全体的な健康状態を改善し、重篤な合併症のリスクを減少させることができます。
その他
β遮断薬(ベータブロッカー)
主な作用 : 心拍数を下げ、心筋の酸素需要を減少させることで、狭心症や心不全、高血圧の治療に使用されます。
その他の作用 : 一部のβ遮断薬は、不整脈の予防や治療にも有効です。
カルシウム拮抗薬
主な作用 : 血管を拡張させ、血圧を下げます。また、狭心症の症状を緩和します。
その他の作用 : 一部のカルシウム拮抗薬は、不整脈の治療にも使用されます。
<糖尿病のくすり>
SGLT2阻害薬(ナトリウム・グルコース共輸送体2阻害薬)
1. 糖尿病治療 :
効果 : 血糖値を下げます。
メカニズム : 腎臓でのグルコースの再吸収を阻害し、尿中に排泄されるグルコース量を増やすことで血糖値を下げます。
2. 体重減少 :
効果 : 体重を減少させる効果があります。
メカニズム : 尿中に排泄されるグルコースに伴いカロリーが失われるため、体重が減少します。
3. 心血管保護作用 :
効果 : 心不全のリスクを低減し、心血管系の健康を改善します。
メカニズム : 血糖値の管理に加え、利尿作用による体液量の減少と血圧の低下が心血管系に良い影響を与えます。
4. 腎保護作用 :
効果 : 腎臓病の進行を遅らせ、腎機能を保護します。
メカニズム : 血糖値と血圧の管理による腎臓への負担軽減に加え、直接的な腎臓保護効果もあります。
まとめ
SGLT2阻害薬は、主に糖尿病の治療薬として開発されましたが、以下のような多くの有益な効果があります。
血糖値を効果的に管理
体重減少効果
心血管保護
腎保護
これらの効果により、糖尿病患者さんの全体的な健康状態を改善し、重篤な合併症のリスクを減少させることができます。
GLP-1作動薬(グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬)
1. 糖尿病治療 :
効果 : 血糖値を下げます。
メカニズム : GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事後に腸から分泌されるホルモンで、インスリンの分泌を促進し、グルカゴンの分泌を抑制します。また、胃の排出を遅らせ、食後の血糖値の急上昇を防ぎます。
2. 体重減少 :
効果 : 体重を減少させる効果があります。
メカニズム : 食欲を抑制し、摂取カロリーを減少させることにより体重が減少します。
3. 心血管保護作用 :
効果 : 心血管イベント(心臓発作や脳卒中など)のリスクを低減します。
メカニズム : 血糖値の管理に加えて、体重減少や血圧の低下、脂質プロファイルの改善が心血管リスクの低減に寄与します。
4. 使いやすさ :
特徴 : 多くのGLP-1作動薬は週に一度の注射で効果が持続するため、投薬管理が比較的容易です。
具体例:セマグルチド
セマグルチドは、GLP-1作動薬の一つで、糖尿病の治療に広く使用されています。以下にその主な効果をまとめます。
血糖値管理 : 食後の血糖値上昇を抑え、全体の血糖値を安定させます。
体重減少 : 食欲を抑制し、体重管理に役立ちます。
心血管保護 : 心血管イベントのリスクを減少させる効果があります。
まとめ
GLP-1作動薬、特にセマグルチドは、糖尿病治療だけでなく、体重管理や心血管リスクの低減にも有効です。週に一度の投与で効果を発揮するため、患者さんの負担も軽減されます。
マンジャロ(チルゼパチド)の効果と特徴
1. 血糖値管理
効果 : 血糖値を効果的に下げます。
メカニズム : チルゼパチドはGLP-1とGIPの受容体を同時に刺激し、インスリンの分泌を促進し、グルカゴンの分泌を抑制します。これにより、食後の血糖値の上昇を抑え、全体的な血糖コントロールを改善します。
2. 体重減少
効果 : 体重を減少させる効果があります。
メカニズム : 食欲を抑制し、摂取カロリーを減少させることで体重を減少させます。また、エネルギー消費を増加させる作用もあるとされています。
3. 心血管保護
効果 : 心血管イベント(心臓発作や脳卒中など)のリスクを低減します。
メカニズム : 血糖値の改善に加え、体重減少、血圧の低下、脂質プロファイルの改善が心血管リスクの低減に寄与します。
4. 使用方法
特徴 : マンジャロは通常、週に一度の注射で投与されます。これは患者さんの薬物管理を容易にし、投与頻度の低さが治療の継続性を高めます。
まとめ
マンジャロ(チルゼパチド)は、2型糖尿病の管理において非常に有望な薬剤です。血糖値の効果的なコントロールに加え、体重減少効果や心血管保護作用も持っております。心血管イベント 抑制効果や腎保護効果についての報告は少ないですが、血糖改善や体重改善の効果から、これらの効果も期待できると考えられています。体重減少効果や心血管保護作用も持っており、総合的な健康改善に寄与します。週に一度の投与で効果を発揮するため、患者さんの負担も軽減されます。
2024.07.08
朗報です。フリースタイルリブレ使用拡大します
糖尿病専門クリニックである なかはら内科クリニックでは、インスリン使用中の患者さんにフリースタイルリブレを希望に応じて保険適応として使用しております。
血糖悪化時にインスリン強化療法をしていて、血糖コントロールが良くなったのでインスリンから内服やGLP1作動薬であるオゼンピックなど週一回注射薬に変更になった患者さんにフリースタイルリブレを保険上使用できない背景があり、患者さんから残念な声が多く届いていました。
先日、厚生労働省からCGM(間歇スキャン式持続血糖測定器)を、診療報酬上対象とならない患者を対象とした、選定療養の枠組みで使用できるようになった。
との発表がありました。
これに基づき、対象の患者さんに対して、説明と同意の上で、使用が可能となります。 しかし、保険診療ではないので、1ヶ月分(フリースタイルリブレとして2個)で13000円となります。
ご興味のある患者さんは、ご気軽にご相談ください。
https://nakahara-naika.com/about.php
なかはら内科クリニックの目の前に吉武歯科医院があります。 院長は定期的に歯のメンテナンスを吉武歯科医院で行ってもらっています。 吉武歯科医院はCTや普及率の低いマイクロスコープがあるのです!そして、 吉武先生から、いろいろ生活習慣病と歯周病についてご教授いただいています。 私のような医療関係だと齲歯や歯周病があると脳梗塞・心筋梗塞の動脈硬化疾患にかかりやすくなるといううことは当たり前の話なのですが、これを、自分の家族に話すと、意外と知られていないんだなということが分かりました。
なかはら内科クリニックでは特に糖尿病専門クリニックなので、糖尿病協会が発行している糖尿病連携手帳 を渡して、受診のたびに体重や血圧、血糖値などを記載して患者さんにフィードバックしています。 この手帳すごくいいんです。
何がいいって、糖尿病とは?だけでなく、合併症の話や、治療目標値など簡潔ではありますが、必要なことが記載されています。
その中に、糖尿病と歯周病について記されたページもあります 。歯周病の改善によって糖尿病の改善にもつながるとの報告があります。と。
実際にその機序は日本歯科医師会のホームページで説明されているので、一読ください。
歯周病と動脈硬化進展の関連についても世界的に知られています。機序はいろいろ複雑なのですが、 分かりやすく説明すると、動脈硬化症は血管の微小な炎症が慢性的に生じていることが背景にあります。歯周病・齲歯などで生じた炎症性物質であるサイトカイン(ここらへんは、戦う細胞 をみている子供達の方がよく知っているかもしれません)によって惹起されるということも知られています。
なので、生活習慣病が背景にある方は、歯・歯肉のメンテナンスはしっかりした方がいいです。
当院かかりつけの患者さんは、なかはら内科クリニックと共に、通りを渡った目の前の吉武歯科医院に受診して全身のメンテナンスをするといいのではないかなと感じました。いい先生やスタッフさんがいますよ。個人的におすすめです。
2024.05.16
木曜日 動脈硬化症外来 開始のお知らせ
木曜日午前の予約診療を開始します。 定期診療に加えて、 かかりつけ患者さんのための動脈硬化症関連の健診日に当てます。 定期外来の方で、今はそんなに混んでいないので、この時間帯の受診をお勧めします。 なかはら内科クリニックには高血圧・糖尿病・心不全・脂質異常症などの循環器疾患の患者さんが多数いらっしゃいます。 特に動脈硬化症の進展や循環器疾患にかかりやすいもしくは罹患した患者さんを対象にまとまった検査日を
予約制
として設けます。 詳しくはお電話、受付にお尋ねください。
*木曜日は感染症外来はございません。
先日、サプリメントで悪玉コレステロールを下げる効果を謳っている、紅麹コレステヘルプが腎機能障害が出るとことで問題になりました。 医療者からの院長からすると、なぜ患者さんは医師からの処方薬は服用することに抵抗を示して、厚労省ではなく、消費者庁が管轄している機能性表示食品のようなサプリメントに手を出してしまうのだろうとジレンマを感じながら報道を聞いていました。
この問題の一つに、きっと、医師がきちんと患者に説明をして、理解をしてもらって安心して内服してもらえていないことが背景にあるのだろうと考えます。
当院の患者さんでも自己中断される方、通院自体をやめてしまう方が一定数いらっしゃいます。我々,医療者が、患者さんにとって本当に必要がということを十分に伝わっていなかったためと思います。 いつか、脂質異常症治療薬として世界的に一番使用されているスタチンの歴史についてブログで取り上げようと思いますが、
今回は一般的に動脈硬化性疾患の既往のない患者さんの脂質異常症の標準的な治療(一次予防)について記載しようと思います。 (ガイドラインに基づいて記載しています。)
日本循環器学会 ガイドライン
日本動脈硬化学会ガイドライン
なかはら内科クリニックは、処方薬は極力出さないクリニックです。生活習慣病というくらいですから、生活習慣改善が第一だからです。それでも、数値が改善しない場合、薬剤の介入が必要となります。
LDL高値の場合、患者さんになかはら内科ではざっくり次のように説明します。 食事・運動で低下するであろうLDLは約10〜15%と言われています。 生活習慣のどこに問題があるのか?食事なのか?運動なのか? 食事なら糖質摂取が多いのか?脂質摂取が多いのか? 生活習慣改善でも、目標LDLに達していない場合は、スタチンを主に処方します。 スタチンにより約40〜50%程度LDLを低下することができます。
患者さんの目標LDLはその患者さんの病態により決まります。
それでは、ガイドラインを見ながら理解を深めていきましょう。
なかはらクリニックでは、まず、患者さんが脳血管疾患になりやすいかを以下のように評価します。 患者さんも、日本動脈硬化学会からの簡易計算でご自身の脳梗塞・心筋梗塞のなりやすさを計算することができます。確認してみてください。
https://www.j-athero.org/general/gl2022app/general.html
例えば、58歳 男性 高血圧(144/88) 糖尿病予備軍(境界型糖尿病) 喫煙ありの患者さんが健診で脂質異常症(LDL166,HDL48, TG250)を指摘されて来院したとします。 この患者さんの58歳〜68歳までの動脈硬化性疾患発症リスクは 7.9%となり、同年齢・同性で最もリスクの低い人と比べて4.2倍発症の可能性が高くなります。 もし、この患者さんがタバコを吸っていなかったら、発症リスクは6.0%で 1.9%も喫煙でのリスクが軽減されていたことになります。ちなみに、スタチン使用でのリスク軽減は-2%なので、ほとんど、薬と禁煙は同程度の改善効果ということがお分かりになると思います。 なので、薬を使用するくらいなら、タバコをやめましょう!と外来で伝えているのはこのためです。
喫煙による寿命の話は別のブログで記載しているので、興味のある方はお読みください。
では、LDLの治療目標はどうでしょうか?
先ほどの患者さんに当てはめると、目標LDLは<140となります。2-3ヶ月後に評価をして、食事療法・運動療法頑張ったのに、それでもLDL<140に到達しない場合、
ここでやっと、内服薬の登場ということになります。 治療薬の概略は以下に示しますが、今度、作用機序の詳細を記載しますね。
基本第一選択はスタチンになります。スタチンはLDLコレステロール合成過程を抑制することにより効果を発揮します。まずはスタチンから治療を開始し、スタチンでも効果が不十分な場合は、スタチンを増量するか小腸コレステロールトランスポーター阻害薬 (エゼチミブ)を追加するという流れが一般的 です。
先ほど述べましたが、スタチンで約40〜50%LDLが低下します。よく、週刊誌や怪しいネットで医者が処方する薬で筋肉が溶けるなど不安を煽る情報を載せていますが、頻度は非常にまれで、自分の患者でも横紋筋融解症を経験したことのない医師もいると思います。
家族性高コレステロール血症の患者さんは一次予防の目標LDLは<100となります。
急性冠症候群、家族性高コレステロール血症、糖尿病、アテローム血栓性脳梗塞のいずれかを合併する 冠動脈疾患の二次予防(再発予防)では、LDL コレステロール 70 mg/dL 未満を目標に薬物療法を実施することを 推奨する。となっています。
注意: 当記事は患者さんへの理解していただく事を優先としている為、薬の細かな作用機序や例外事項などは省略しております。
2024.02.23
抗肥満薬ウゴービ発売について
昨日、テレビで抗肥満薬ウゴービ発売(GLP-1受容体作動薬セマグルチド[抗肥満薬としての商品名:ウゴービ皮下注])の報道がされました。 クリニックで自費診療でなく保険診療ですぐに手に入りやすい、処方してもらえそうと感じている方が多いだろうなと感じながら視聴しておりました。 すぐに、知り合いから問い合わせがあり、すぐに手に入る感覚での内容であったので、これはまずいと思いお知らせに記載しようと思います。
結論から言うと、 ・有効性あり。 ・当院は教育関連施設ではないので、ウゴービを処方することはできません。
有効性は日本人585例を含む5,085例の過体重または肥満の成人を対象とした臨床試験プログラムSemaglutide Treatment Effect People with obesity(STEP6[Lancet Diabetes Endocrinol. 2022 Mar;10(3):193-206. ])で証明されました。生活習慣の改善(食事療法および運動療法)にもかかわらず、十分な減量効果が得られないBMI 27以上の肥満成人を対象に、ウゴービ2.4mgまたは1.7mgを週1回68週間投与。その結果、68週時点でウゴービ2.4mg群では13.2%、同1.7mg群では9.6%の体重減少を認めました。
当院は教育関連施設ではないので、ウゴービを処方することはできません。市中病院・大学病院に紹介受診となります。 保険診療上の対象患者は以下の通りです。
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T231122S0030.pdf
高血圧、脂質異常症、または2型糖尿病のいずれかを有する肥満症があり、かつ食事療法と運動療法を行っても十分な効果が得られない人のうち、BMIが35 kg/m2以上、もしくは以下の示す肥満に関連する健康障害を2つ以上有する BMIが27 kg/m2以上がウゴービ使用の対象。
・耐糖能障害 (2型糖尿病、耐糖能異常)
・脂質異常症(高脂血症)
・高血圧症
・高尿酸血症(痛風も含む)
・冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症)
・脳梗塞または一過性脳虚血発作
・非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
・月経異常または女性不妊
・閉塞性睡眠時無呼吸症候群
・運動器疾患
・肥満関連腎臓病
このガイドラインを満たす施設は、肥満症治療に関連する学会(日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本循環器学会)の専門医が常勤している教育研修施設:市中病院・大学病院などの大規模な医療機関に限られます。
4月から木曜日午前の診療を開始します。 定期診療に加えて、 かかりつけ患者さんのための動脈硬化症関連の健診日に当てようと考えています。 なかはら内科クリニックには高血圧・糖尿病・心不全・脂質異常症などの循環器疾患の患者さんが多数いらっしゃいます。 特に動脈硬化症の進展や循環器疾患にかかりやすい患者さんを対象にまとまった検査日を
予約制
として設けます。 詳しくはお電話、受付にお尋ねください。 *木曜日は感染症外来はございません。
災害時の対応に備え、日本IDDMネットワークにインスリンを使用している患者さん向けのサイトがございます。ご参照して下さい。
被災したらどうする? ~災害時の対処法~
https://japan-iddm.net/news/info/14379/
#令和6年能登半島地震 #地震 #災害 # 災害対応
2024.01.01
インスリン注射や血糖自己測定用アルコール消毒綿不足時の対処について:再掲 令和6年能登半島地震に伴って
令和6年能登半島地震に伴なって、コロナ禍で掲載したものを再掲します。 現在,新型コロナウイルスの流行に伴いアルコールなどの消毒薬が入手困難となっております。その為,糖尿病患者さんに対してインスリン注射や血糖自己測定用アルコール消毒綿を提供することが困難となっておりますのでご了承くださいませ。 先日,日本くすりと糖尿病学会から糖尿病治療用注射製剤の自己注射や血糖自己測定用アルコール消毒綿不足時の対処についてについての例示が報告されておりますので,ご参考にしてください。https://jpds.or.jp/%ef%bc%88%e9%81%a9%e6%ad%a3%e4%bd%bf%e7%94%a8%e6%8e%a8%e9%80%b2%e5%a7%94%e5%93%a1%e4%bc%9a%ef%bc%89%e7%b3%96%e5%b0%bf%e7%97%85%e6%b2%bb%e7%99%82%e7%94%a8%e6%b3%a8%e5%b0%84%e8%a3%bd%e5%89%a4%e3%81%ae/
日本糖尿病協会からも以下のようなお知らせがございます。 〜針やアルコール綿が入手できない非常時のインスリン注射や血糖自己測定の対応〜
予備の針やアルコール綿がなくても、入手できるまでは同じ針を使って注射や血糖自己測定を行います。
インスリン注射前は針が曲がってないことの確認と空打ち(試し打ち)を行います。皮膚が汚れてなければ消毒は不要です。
血糖自己測定も手洗いをすれば消毒は不要です。
針と注射器は自分1人の専用とし、決して患者間で共有してはいけません(肝炎などのウイルス感染が起こることがあります)。
引用文献: 「インスリン自己注射ガイド」日本糖尿病協会https://www.nittokyo.or.jp/uploads/files/GUIDE_140515_B5.pdf?fbclid=IwAR2576tH_yF-SNpv43XshqERVXVuKK7Ulg2gT-WCBf_bK5jLMBghXMZ7M0g 「糖尿病災害時サバイバルマニュアル 第2版」臨床糖尿病ネットワークhttps://www.cad-net.jp/introduction/about/our_work/anti-disaster_measures/pdf/diabetic_a4_rev2.pdf
『1型糖尿病[IDDM]お役立ちマニュアル Part.3-災害対応編-』https ://japan-iddm.net/publication/manual3/
糖尿病で注射療法を行っている患者さんでフリースタイルリブレを使用している患者さんに朗報です。
年末年始あたりにフリースタイルリブレ2が使用可能になりそうです。 海外では更にサイズが小さくなったリブレ3の使用が可能なのですが、日本ではリブレ2がようやく使用可能といった感じです。 なかはら内科クリニックで使用可能となりましたら順次変更予定です。
<「FreeStyleリブレ2」の主な特長> FreeStyleリブレ2は、スキャン不要で、1分毎に測定されたグルコース値がリアルタイムに表示されるグルコースモニタシステム です。 (FreeStyleリブレLinkアプリのみを使用した場合 ) ①スキャン不要で1分毎に測定されたグルコース値をリアルタイムに表示 ②高/低グルコースアラートならびに受信圏外アラートを備え、オン/オフの設定が可能 ③患者さんにとって使いやすく「血糖トレンド」を可視化 ④特に低血糖領域において安定した精度を示し、14日間 その精度を維持
2023.11.02
運動の秋!やるぞベンチステップ運動!
なかはら内科クリニックです。 食食の秋、運動の秋ですね! 週末は娘と長野にハイキングに行ってきました。 子供達はテニスをしていて、その際にベンチステップトレーニングをしているですが、意外と家の中でも行えて簡便なので紹介しようと思います。
具体的なやり方は以下のNHKのリンクに動画がありますので、参考にしてみてください。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_60.html
<ベンチステップ運動の強さの目安>
基本は無理しない事です。最初は、10cmから始め、20cmの高さになるといいと思います。
最初は、10cmから始め、慣れてきたら高さを上げましょう。 脂肪が燃焼するに20分以上かかるといわれています。 最初は無理なのない時間(5分でも10分でも)から始め、20分以上を目標にしましょう。
4ステップで一回です。つまり、台に乗って、床に両足が戻るまでの1往復が1回となります。一般の目安 :1分間に20回 (およそ速歩:5メッツMETS)低体力者 :1分間に15回 (およそ速歩:4メッツMETS)超低体力者 :1分間に10回 (およそ速歩:3メッツMETS) 特に超低体力者 で20cmの上り下りが困難な場合は、10cmの高さで1分間に15回を目指してみましょう。
<運動時間>
最初は無理なのない時間(5分でも10分でも)から始め、20分以上を目標にしましょう。 週3回以上(可能であれば毎日)、または週150分以上が目標です。
以下は運動強度の目安です。
2023.10.15
死亡に影響する修正可能な(改善したらリスクが減る)危険因子とは!?
今週、世界の臨床医学で最も権威のある医学雑誌から、非常に有用な研究が報告されました。 これは以前、院長のブログでも取り上げたトピックに近い内容です。
2型糖尿病患者の平均寿命について
喫煙でどれだけ寿命が短縮するのか?
を参照ください。
心血管疾患と死亡率に対する修正可能な危険因子の世界的影響 : NEJM 2023; 389:1273 34ヵ国の112のコホート研究(総勢約150万人)の10年後心血管イベント、死亡率を地域、年齢、性別で階層化して評価 し、 以下5つの項目が修正可能な危険因子と同定されました。
①BMI:肥満度 ②収縮期血圧 ③non-HDLコテステロール :LDLコレステロールや中性脂肪(TG) ④喫煙 ⑤糖尿病
これらは今からでもコントロールしようと思えばできる項目です。 予防医学の大切さを示唆する研究でした。
先日告知していた体組成計を導入しました。
今まで、診察前に体重測定を実施し、体重、血圧、血糖値の推移を見ながら生活指導を行ってきましたが、体重だけでなく、体組成測定機を新規に導入します。 そうです。ジムに置いているアレです。 但し、正確性を担保するため医療機器として認可された機材を導入します。 実は体組成計は電気量販店にもあるようにピンキリの世界で、精密性・正確性を担保された医療機器としては日本には3種類しかないのです。 定期的に体重だけでなく、筋肉量や脂肪量を測定することにより、もっと患者さん健康に対する行動変容を促したいと考えています!
https://www.tanita.co.jp/product/business/bodycompositionanalyzer/410
2023.10.07
喫煙でどれだけ寿命が短縮するのか?
先日、イギリスで議会に紙タバコの「生涯禁止」法案を提出との報道がされました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7828362d0fb8ed9a8750c968cf58a19e0b961643
昨年、ニュージーランドでも紙タバコの「生涯禁止」法案が可決されています。
この背景に以下の論文があります。 禁煙でどれくらい寿命が延びるかという事に関して、 イギリスで約3万4千人の男性医師を50年追跡調査した報告です。 報告によると、
喫煙者は非喫煙者に比べ10年寿命が短いが、 18歳で喫煙開始として、 30歳までに禁煙すれば寿命はほぼ変わらない。 40歳で禁煙すると9年の寿命を稼げる。 50歳で6年の寿命を稼げる。 60歳でも3年の寿命を稼げる。 論文は、禁煙するのに遅すぎることはないと結論しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC437139/
また、ある報告では禁煙して7年後より非喫煙者と同程度の心疾患発症リスクになるとも言われています。 (COPDに至っているような呼吸器疾患は治りませんが。。)
もちろん
電子タバコの同じと考えられています。 喫煙は炎症を引き起こしてしまうので、動脈硬化症の進展や発癌とその進展に大きく寄与します。
以前、糖尿病の寿命の話をしましたが、一つ一つリスクを減らすことが大切ということがわかります。 高血圧・血糖・コレステロールのコントロールをしても、年齢や性別のリスクは拭えません。 さらにこれらのリスクをコントロールしていても喫煙していると元も子もないのです。
https://nakahara-naika.com/blog/category/diabetes/page/2
今年秋から来年度に、なかはら内科クリニックがバージョンアップいたします!
その1
今まで、診察前に体重測定を実施し、体重、血圧、血糖値の推移を見ながら生活指導を行ってきましたが、体重だけでなく、体組成測定機を新規に導入します。 そうです。ジムに置いているアレです。 但し、正確性を担保するため医療機器として認可された機材を導入します。 実は体組成計は電気量販店にもあるようにピンキリの世界で、精密性・正確性を担保された医療機器としては日本には3種類しかないのです。 定期的に体重だけでなく、筋肉量や脂肪量を測定することにより、もっと患者さん健康に対する行動変容を促したいと考えています!
https://www.tanita.co.jp/product/business/bodycompositionanalyzer/4102/
その2
超音波機械の変更です。 心疾患、甲状腺疾患、動脈硬化症などで役立つ超音波検査:エコーですが、携帯電話やパソコンと同じで日々進化しています。 その3のためでもありますが、診断精度を向上させるべく最新機種への変更・導入を決定しました。https://jp.medical.canon/products/ultrasound/aplio_averifia
その3 予定
木曜日をかかりつけ患者さんのための動脈硬化症関連の健診日に当てようと考えています。 高血圧・糖尿病・心不全などの循環器疾患の患者さんがなかはら内科クリニックには多数いらっしゃいます。 特に動脈硬化症の進展や循環器疾患にかかりやすい患者さんを対象にまとまった検査日を
予約制
として設けます。
2023.08.26
暑さによる運動不足や体重増加:糖毒性
去年と同様、今年も暑かったですね。 院長の私もそうですが、日中運動不足でかつ、食事摂取量は一緒どことか、子供達とアイスを食べたりしたので、消費カロリーよりも摂取カロリーが上回ってしまい、体重増加に至りました。
糖尿病を専門にしているなかはら内科クリニックには、このようなエピソードをもつ方が多くいます。 そのつけとして、残暑の今頃になり、血糖値の悪化で受診となったり、 喉の渇き→多飲→多尿・頻尿そして、倦怠感・体重減少などの古典的糖尿病症状で受診される機会が増えてきました。 これは、体の中が非常に甘い状態で濃度が濃い状態になってしまい、うまく血中の糖をエネルギーとして使うことができなくなってしまっている状態です。 そうすると、細胞内の脂肪をエネルギーとして使用するようになり、ケトン体という物質が産生され、体が酸性(酸っぱい?)状態になることによるケトーシスという状態に陥ってしまいます。 これを糖毒性といいます。 この状態ではもはや、生活療法や内服治療をおこなうことよりも、インスリン注射を実施した方がよい治療となってしまいます。
そうならないように、運動不足分のエネルギーを過多を、食事制限で補うか、運動してエネルギー消費を促すかしてください。
一般に、週150分程度の有酸素運動が有効といわれています。
2023.08.25
再掲:糖尿病患者さんへ:ジュース・スポーツドリンクに注意しましょう!
ここ最近、暑い中での生活を通してこまめな水分補給をしていると思います。 患者さんの中で、スポーツドリンクで塩分・水分を補っています。1日1L飲んでいる。とお話しされていました。その時の血糖値が今までのコントロールよりも悪化していたことに驚かれていました。原因は500mlに砂糖約33g(カロリー135kcal)のスポーツドリンクが原因でした。 炭酸飲料などでは500mlで砂糖約55gといわれています。 医療の中で問題となっているのは、このように清涼飲料水の飲み過ぎで起こるペットボトル症候群です。 飲みすぎは危険です。脱水予防として飲んでいる清涼飲料水の多飲によって血糖値が上昇し、やがて脱水と意識障害に陥る可能性があります。 麦茶・ルイボスティ・お茶などがおすすめです。
追記2022.08.03Yahoo!ニュースでも関連リンクがございました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/19c60ff7ce08ac61d9f7eb3c2c74712b7c3ec662
2023.02.27
転居に伴う医師・医療施設探し
なかはら内科クリニックです。 もう直ぐ春を迎え、新生活の季節になります。 それに伴い転勤・転居で当院から他施設に紹介する機会も増えてきました。 折角、いい関係になれたのに、本当に寂しい季節です。 転居先の医療施設探しにみなさん苦慮されているようです。
知り合いに紹介できればそれに越したことはないのですが、遠方であるとそうはいきません。 一緒に、ホームページを参考に探すこともあります。 ネットの口コミって意外と当てにならないもので、この業界では平均3.5に落ち着くと言われております。なので、それよりも高いとか、低すぎるといろいろ感じるものがあります。 家族や会社友人などの知り合いからの紹介の方が実は良かったりしますよね。
以前も書きましたが、クリニックはいろいろ標榜しておりますが、実はその病気の専門医ではないことが多々あります。 転居後、最終的に医師患者関係の折り合いの合うところに落ち着くのですが、 最初に行くべき医療施設の提案をしたいと思います。 それぞれクリックするとリンクに接続します。
・高血圧・脂質異常症・カテーテル治療後・不整脈であれば
→循環器専門医
・高血圧であれば
→高血圧専門医
・糖尿病・糖代謝異常・肥満症・脂質異常症であれば
→糖尿病専門医
→日本糖尿病協会
・逆流性食道炎・胃大腸ポリープであれば
→日本内視鏡学会
・肝機能障害であれば
→日本肝臓学会
・甲状腺疾患、内分泌疾患・脂質異常症であれば
→内分泌専門医
→甲状腺学会
・脳梗塞・脳出血後、パーキンソン、頭痛であれば
→神経内科専門医
・内科一般であれば
→総合内科専門医
以前、朝の血圧上昇は脳梗塞・心筋梗塞の危険因子であるというお話をしました。 これに関連して、これって?大丈夫?脳梗塞なの?というお話をしようと思います。 みなさん、
「FAST(ファスト)」
という言葉はご存知でしょうか? これは脳梗塞の症状を示唆する大切なサインです。
Fは、「face:顔」 顔の左右の半分が動かなくなって、口元が下がってくる。イーという表情をしても、左右半分の口角のシワがない。おでこにシワを寄せようとしても、片方はシワがよらない。 Aは、「arm:腕」 体の片方の手足が動かない、力が入らない。前へならえの姿勢で腕が下がってしまう。 Sは、「speech:発語」 話そうとしても呂律(ろれつ)が回らない、らりるれろ、パピプペポ、るりもはりもてらせばひかるが言えない。言葉がでない。 Tは、「time:時間」 これらの症状に気づいたら、すぐに受診する!
です。 朝起きて、あれ?なんか変だぞと本人、もしくはご家族が気づかれるかもしれません。 でも、もう少し様子を見てみようと半日様子を見てしまいがちです。 もし、脳梗塞の症状であるならば、発症後6時間以内であれば脳血管治療を受けることができ、その後に残るであろう麻痺症状を比較的軽度にとどめることが可能になります。 つまり、もう少し様子を見てみようは症状が続くのであれば数時間までと決めて、迷うようなら医療機関に相談する方が宜しいと思います。
また、
一過性脳虚血発作:TIA(Transit Ischemic Attack)
といって、一時的に脳に血流が流れなくなって、手足のしびれやまひなどが短時間で現れて消える状態があります。 例えば、一瞬、体の力が抜けたが数分でよくなった。といった症状が起きたら、24~48時間以内に大きな脳卒中が起きる警告発作かもしれません。 なので、症状が軽快したからいいと考えず、持病に高血圧・脂質異常症・糖尿病や喫煙といった動脈硬化症の危険因子があれば1-2日は用心した方がいいと思います。
ご自身が、動脈硬化症に伴う脳血管疾患に罹患しやすいかを計算することができるサイトが
日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾患発症予測ツール(一般向け)
にございます。 ぜひ、ご活用くださいませ。
2023.01.28
生活習慣病の治療中断による再出発(再治療):再掲と追記
今月になり、昨年春から夏を最後に未受診となって、症状・病態悪化で再受診となる患者さんが多くいらっしゃいました。 実は、当院は3ヶ月以上の未受診患者さんのリストを作成し、院長の私はご連絡しようかと、いつも悩みながらリストをみています。 受診する・しない、は患者さん個人の選択なので、強制的に受診させるような権限はございません。 でも、血圧コントロールのために必要な血圧の薬を飲まずにそのまま過ごすと、高齢になればなるほど心不全や脳出血、腎疾患(腎臓は一度機能が低下すると元に戻りにくいです。)などの重篤な状態に陥る頻度が高まります。また、糖尿病という病態も同様に、定期的なメンテナンスをしないと症状が出た時はそれなりの状態になっている事があります。
過去に生活習慣病の治療中断による再出発という記事を書きました。 将来のご自身のために、啓発という意味も込めて、再掲しようと思います。
ここ最近、 以前治療していたが、引越しや転勤、コロナ不安、もういいかなという心情で継続治療を中断し、検診などで悪化を指摘され再受診となる患者さんが増えてきています。 医療者は患者さんが継続通院しなくなることをlost follow(ロストフォロー)と言います。 特に、糖尿病、甲状腺疾患、高血圧は症状が悪化するまで病状進行に気が付きにくいため、lost followになってしまうと腎機能や心機能の悪化などの合併症が生じてしまっていることが多々見受けられます。 再治療は患者さん自身、そしてわれわれ医療者にも大きな負担(精神的にも、時間的にも、費用的にも)となります。 継続治療は高齢化社会において、いかに臓器を若々しく保たせ、自分らしく生活するために必要なことの一つです。 もう直ぐ春になると転居/転勤の時期になります。どうぞ、lost follow せず継続治療を行ってください。
厚生労働省と日本糖尿病協会が協力して制作した糖尿病啓発冊子 「糖尿病の治療を放置した働き盛りの今」という冊子があります。不安を刺激して通院してもらおうということではありません。自分の健康に目を向けて頂きたいという気持ちです。
https://www.nittokyo.or.jp/uploads/files/enlightenment_2020.pdf
数十年後の自分を想像しながら継続治療を行っていただければと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=BfV8ttQYElA
VIDEO
2022.12.03
糖尿病治療器具 スマートインスリンペン:スマートフォンと連携するインスリン・ペン型注入器について
Apple Watchで不整脈である心房細動検出など、日常の生活に使用するデジタル機器で健康を管理しやすくなってきています。デジタルという言葉でもう無理と感じてしまう方もおられますが、はじめの一歩を踏み出すと意外と使いやすく、もっと早く使っておけばよかったと実感する方もいるようです。 以前、紹介した24時間血糖値をスマホで測定することができる、フリースタイルリブレもそのひとつです。
なかはらクリニックは院長が新しい知見や研究・技術に関心があるので、可能な限り有用なものは患者さんの診療に落とし込みたいと考えて紹介しております。
今回紹介するのは、今年に発売されたインスリン注入器具であるインスリンペンのご紹介です。 特に1型糖尿病の患者さんやインスリン分泌能が低い2型糖尿病患者さんはインスリン使用が必要となります。 インスリンにはインスリン薬液と注入器が一体化したプレフィルド製剤と呼ばれるものやカートリッジ製剤などがあります。 スマートインスリンペンはこのカートリッジ製剤の注入機がスマホとの連携が可能となり、ペンをスマホにかざすだけでインスリン注入量とその時間を記録することができます。 えっ?!それだけ??と感じる方もおられますが、インスリンを使用している患者さんはそれをアナログで記載していたりしていました。毎食の血糖値を測定してそれを記載し、注入量を記録することはすごい負担となります。 フリースタイルリブレとスマートインスリンペンを併用するだけでその負担がとれて、かつ、インスリン使用量とその後の血糖値の変化をデジタルで見える化できるので、後での振り返りにも大変便利となります。 もし、ご興味がある患者さんがおられましたら、医師やスタッフにお声がけくださいませ。
以下が商品の紹介です。「ノボペン6」、「ノボペン エコー プラス」の特徴
「最後に注入ボタンを押したときの設定単位数およびそのときからの経過時間」を、最大99時間59分59秒まで本体のメモリー表示で確認できる。 直近の最大800回分の注入ボタンを押した履歴を本体内部に自動記録できる。 注入ボタンを押した履歴 (時間と投与量) をNFC(近距離通信システム)対応のスマートフォンアプリに無線転送できる。 最後に打った単位数と経過時間をペン上部の液晶画面で確認できる。 ノボペン6は最大投与量が60単位、1単位刻みで、カラーはグレーとブルーの2色。 ノボペンエコープラスのほうは最大投与量が30単位、0.5単位刻みで、カラーはレッドとライトブルーの2色。 3mLのペンフィルカートリッジで販売されている5種類のインスリンアナログ製剤(フィアスプ注、ノボラピッド注、トレシーバ注、レベミル注、ノボラピッド30ミックス注)を使用できる。
対応するスマホアプリ:リブレは対応予定
シンクヘルス リブレが対応するまでは、機能的にこちらがおすすめです。
スマートe-SMBG
2022.09.27
糖尿病を知りたい方へ:おすすめアプリ
なかはら内科クリニックは糖尿病専門クリニックです。 健診で高血糖や糖尿病を疑われ当院を受診する方がいらっしゃいます。 患者さん一人ひとりに時間をかけて病態と治療について説明しています。 中には、医師の前で緊張して説明がなかなか頭に入ってこないかたもおられると思います。 そんな方のために
日本糖尿病協会のホームページ
が有用です。 最近、協会の方から糖尿病の病態を丁寧に解説しているアプリが出ました。 ぜひご活用ください。 リンク↓
https://www.nittokyo.or.jp/modules/information/index.php?content_id=183
#糖尿病 #アプリ #日本糖尿病協会
2022.07.07
2型糖尿病患者の平均寿命について
今までの日本人を対象としたデータでも、2型糖尿病患者の平均寿命は一般人と比べて約10年短いと言われています。
糖尿病は症状が出づらい代謝の病気です。 そして、長い年月を経て血管が痛むことによって生じる
脳梗塞・狭心症・心筋梗塞などの動脈硬化疾患
として突然生じることが多いのです。 また、糖尿病(主に2型糖尿病)がある方は、がんリスクが20%ほど高いことが報告されています。
日本人では特に大腸がん、肝臓がん、膵臓がんのリスクが高いとされています。
これらが死因となることが多いのです。
さて、こんな話をされると、どうせ寿命が短くなるであれば、好きなことして過ごした方がいいということになりかねません。
しかし、ここ最近、いろいろな論文が出てきており、動脈硬化症の危険因子をコントロールすれば、一般人の同年代と同じ寿命を獲得することができるのではないかと言われています。 その因子とは。
<5つの危険因子>
①HbA1c>7% ②LDL>97mg/dL ③血圧>140/80mmHg ④喫煙 ⑤微量アルブミン尿・蛋白尿
つまり、血糖コントロールだけでなく、 この5つの危険因子を正常化するだけで、同年齢の病気でない人と同じような寿命を望める。 ようになります。
Risk Factors, Mortality, and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetesより
当院では、患者さんの生活を考えながら個々人の危険因子を総合的にコントロールして、 健康寿命を延ばし、患者さんらしい人生を送ってもらえるように診療にあたっております。
2022.07.02
暑い夏におすすめ自宅でフィットネス
コロナで在宅時間が増えてきた、運動したいけど暑くて外に出れない。。。 そんな方の選択肢として
Fit-eNce Home ™
というものがあります。 ゴムチューブとアプリで運動を管理し、月に1度パーソナルトレーナーがつくというサービスです。 椅子と一畳程度の広さがあれば行えました。
2022.05.21
日本糖尿病療養指導士 合格!!
【お知らせ】日本糖尿病療養指導士 2名合格!!
令和3年度 一般社団法人日本糖尿病療養指導士認定機構 の日本糖尿病療養指導士に当院スタッフ2名が合格しました! 当院で糖尿病患者さんが増えている状況の中で、優秀なスタッフが、日々研鑽をかさねてきた結果です。 スタッフ皆が高度な医療を大切な患者さんに還元したいという思いが実りました。 本当に、嬉しいです。 合格おめでとうございます!!
当院では日本糖尿病療養指導士 4名が在籍し、日々の診療に携わっています。 医師だけでなく、看護師・栄養士にも健康相談してみては如何でしょうか。 自分に合った生活療法が見つかるかもしれません。
CDEJ(日本糖尿病療養指導士)とは Certified Diabetes Educator of Japan; CDEJ
CDEJ (日本糖尿病療養指導士)とは、 糖尿病治療にもっとも大切な自己管理(療養)を患者に指導する医療スタッフです。 高度でかつ幅広い専門知識をもち、患者の糖尿病セルフケアを支援します。
この資格は、一定の経験を有し試験に合格した看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士に与えられ、2001年3月に第1回認定試験が行われました。 CDEJに認定されることは、糖尿病の臨床における生活指導のエキスパートであることを意味します。 糖尿病患者の療養指導は糖尿病の治療そのものであるとする立場から、患者に対する療養指導業務は、わが国の医療法で定められたそれぞれの医療職の業務に則って行われます。 米国、カナダ、オーストラリアなどでは1970年代の初頭より、糖尿病療養指導従事者の専門性と認定について検討され、1986年には資格としてCDE(Certified Diabetes Educator)制度が発足し、実績を積んでいます。 医療は日々進歩しますので、CDEJとして認定された後も引き続き実践と研鑽を重ねて最新の知識・技能を身につける必要があります。このため、CDEJの認定制度は5年毎の更新制となっています。
2022.02.23
院長が協力した論文が発表されました.
院長が協力した論文が学術誌:Renal Replacement Therapy で発表されました. 透析患者の動脈硬化進展の表現である大動脈石灰化の進展度合い解析すると、 大動脈石灰化が強くなるほど、心血管疾患だけでなく、感染症や栄養失調に関連する死因が増大することを示した研究です。 検診で大動脈に石灰化を指摘される患者がおられます。 その石灰化の量が増大するほど心血管疾患による死亡率が上昇するというメッセージです。 動脈硬化症が進展してしまうと石灰化の状態になります。 動脈硬化症予防は血圧・脂質・血糖・体重コントロールです。もちろん、禁煙もしなければなりません。 血管含め臓器を若々しく保ちながら加齢していければいいですね。 なかはら内科クリニックは高血圧だけでなく糖尿病専門クリニックでもあります。 糖尿病の血糖コンロトールだけでなく血圧・脂質管理をすることにより、糖尿病の最大の合併症である透析療法を回避すべく、日々患者さんと共に頑張っております。
https://rrtjournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s41100-022-00394-8
11月14日は世界糖尿病デーです。 毎年この日を啓発機関として世界的に取り上げています。 どうしてでしょうか? 以下のリンクをご参照ください。 なかはら内科クリニックは糖尿病専門クリニックの一つです。 検診などで高血糖や糖尿病疑いなど指摘されていれば、一度ご相談くださいませ。 放っておくことが一番まずい経過をたどります。
https://www.wddj.jp/ 01_howto .htm
世界で6秒に1人の命を奪う糖尿病
糖尿病は今や世界の成人人口のおよそ9.3%となる4億6,300万人が抱える病気です。一般的に死に至る病気との認識は薄いですが、年間実に500万人以上が糖尿病の引き起こす合併症などが原因で死亡しています。これは世界のどこかで、6秒に1人が糖尿病に関連する病で命を奪われている計算となり、AIDSによる死者に並ぶ数字です。ちなみに、国連決議が採択された2006年は10秒に1人でしたから、残念なことに9年間で4秒縮んでしまいました。このまま進むと、世界の糖尿病人口は、2045年には約7億人に達することが予想されています。糖尿病患者の増加は特に発展途上国で顕著に見られ、経済成長、生活水準の向上、教育改善の大きな妨げとなっています。
患者さん向けにいろいろなイベントを行っているようです。 いい機会ですので、一度参加されることをお勧めします。
*世界糖尿病デー2021オンラインシンポジウム
*2021年世界糖尿病デーオンライン企画
2021.06.17
院長が協力した研究が報告されます。
第64回日本腎臓学会学術総会が令和3年6月18日から20日の3日間、パシフィコ横浜とWEBで開催されます。 今回、院長が協力した、糖尿病患者さんの腎機能と動脈硬化症の進展についての研究が発表されます。 この研究は、昨今、タンパク尿を呈さない腎機能が低下した糖尿病という病態が問題となっており、糖尿病性腎臓病Diabetic kidney disease(DKD )と言われています。 このDKDを呈している患者さんの冠動脈硬化症の進展を観察した研究です。
メッセージは『糖尿病生腎臓病の経過が長いほど、狭心症や心筋梗塞に進展する原因である冠動脈硬化症が重症化しやすい。』ということです。
当院でも、糖尿病で通院している患者さんに定期的に採血・採尿をして腎機能やタンパク尿の確認をしているなと、お感じになっている患者さんも多いと思います。 進展予防には、適切な食事・運動による、血圧コントロール・脂質コントロール・血糖コントロール、そして禁煙です。 自分らしい健康的な日常の生活を送っていただければと思いながらスタッフ一同、診療にあたらせていただいております。
詳細は下記です。 第64回日本腎臓学会学術総会 P-117
https://jsn.or.jp/general/congress/journal/63_4.pdf
2021.01.29
フリースタイルリブレ最新情報
なかはら内科クリニックでは主に1型糖尿病の血糖値測定にフリースタイルリブレを使用しております。 現在、AbbottのサイトにリブレViewというクラウドで血糖管理ができるツールがあります。
https://www.myfreestyle.jp/patient/support/libreview/
今回、さらに2月9日にリブレリンクというアプリがリリースされます。
スマホで血糖値を読み取ることが可能となり、また、その精度が改善されるようです。
スマホからご自身のリブレViewアカウントに自動的にUPLOADされ、血糖管理ツールであるリブレViewでクリニックと共有することも可能になります。
詳細はクリニックにご相談ください。
2020.10.29
Medical Practiceに掲載されました。
内科医の読む雑誌Medical PracticeのOne Point Adviceに院長コメントが掲載されました. ・Medical Practice 2020年11月号(37巻11号):One Point Advice詳しくはコチラ→
2020.09.14
鼻からの低血糖治療薬が処方可能となります。
低血糖治療薬として日本イーライリリーから救急治療薬「バクスミー点鼻粉末剤3mg」(一般名:グルカゴン)が10月2日から処方可能となります。 今までグルカゴン注射で対応していましたが、点鼻投与となり簡便な治療法となります。 インスリン治療を受けている患者で特に重症低血糖に対して有効な治療です。 詳細はこちら
http://dm-rg.net/news/2020/03/020317.html
https://www.diabetes.co.jp/consumer/usage-baqsimi
以下の状態ではその効果を得られません 。
飢餓状態、副腎機能低下症、頻発する低血糖、一部糖原病、肝硬変等の場合、血糖上昇効果はほとんど期待できません。また、アルコール性低血糖の場合には、血糖上昇効果はみられません。 →グルカゴンの血糖上昇作用は、主として肝グリコーゲンの分解によるので、飢餓状態、副腎機能低下症、頻発する低血糖、一部糖原病、肝硬変等の場合、血糖上昇効果はほとんど期待できません。また、アルコール性低血糖の場合には、血糖上昇効果はみられません。(日本イーライリリーから引用)
2020.06.08
院長の関わった論文が発表されました。
院長が責任著者として関わった論文が日本心臓病学会雑誌 (Journal of Cardiology)から発表されました。
これは無症状の糖尿病患者を対象に毎年動脈硬化症検査を行い、経時的に血糖コントロールが高いと冠動脈プラーク堆積が上昇するというメッセージです。
ある程度想像がつくとは思いますが、血糖コントロールがいいほど、そして、LDLコレステロールが低いほど狭心症・心筋梗塞の原因となる動脈硬化症の進展が抑制されます。 https://www.journal-of-cardiology.com/article/S0914-5087(20)30164-7/fulltext
・糖尿病と感染症 (COVID-19を含めて) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で4月7日に緊急事態宣言が発令されてから約2ヶ月が経とうとしている。「Stay Home」「不要不急の外出自粛」の生活により新規感染者は全国的に減少傾向にある。一方で、活動性の低下や間食増加・運動量に対して相対的な食事摂取量増加により体重増加を呈する患者が増えているという。生活習慣病の患者さんを中心に診察している私の外来では1―2ヶ月ぶりにお会いする患者さんの殆どが血糖コントロール悪化・中性脂肪増加・肝機能障害を認めていた。そして、患者さんが口にすることは、持病を持っていると「コロナに罹りやすい」「悪化しやすい」という根拠に、感染確率を下げるために外出を控え、よく食べよく寝ることを実践していたようであった。
しかし、感染症はCOVID-19だけではない。糖尿病に関しては血糖コントロール不良になればなるほど感染リスクは上昇することは周知の事実である。実際にどのくらいのリスクかというと、感染症のなりやすさをオッズ比であらわすことができるが、“非糖尿病群“に対して“糖尿病群“では全ての感染症に対してオッズ比が1.5 (95% C.I. 1.46-1.54)となる。では、血糖コントロールではどうか。全ての感染症に対してHbA1c<7%の群と比べると、7%−8.5%の群ではOR 1.11 (95% C.I. 1.05-1.18), >8.5%の群ではOR1.35% (95%C.I. 1.25-1.45)と血糖コントロール悪化に伴いそのリスクは増加する。
糖尿病とCOVID-19との関連について「糖尿病だとかかりやすいとか悪化しやすいとTVワイドショーでやっていたので家に引きこもっていました。先生、本当のところどうなの?」と患者さんによく質問を受ける。現在までの総説によると、罹患リスクは変わらないが、重症化しやすい傾向があるという。先日、中国武漢から糖尿病患者は、COVID-19の病状が急速に進行し予後不良となりやすいという研究結果が発表された。糖尿病群と非糖尿病群で比較すると、年齢や性別に有意差はなかったが、発熱の頻度は糖尿病群の方が有意に低かった(59.5 v.s. 83.2%、P=0.002)。糖尿病群の死亡率は10.8%で非糖尿病群の3.6%より高い傾向を認めた(P=0.185)。糖尿病群で主に炎症マーカー(CRP, IL-6, D-ダイマー)で高値(有意差あり)が認められ、胸部CT画像所見でも著明な変化が認められた。
今後も免疫獲得や治療法の確立がない限り、第2波などで「Stay Home」「不要不急の外出自粛」の生活を強いられる可能性があるが、生活習慣病を考慮するとバランスの取れた食事・運動生活を行うことが大切であることは言うまでもない。
2020.05.03
動脈硬化の進展を評価できるようになりました。
2020.05.01
メトホルミン製剤の一部ロット自主回収に関して
http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?content_id=168 https://www.nittokyo.or.jp/modules/information/index.php?content_id=126 https://healthcare.ds-pharma.jp/product/metglco/info/ https://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20200427.pdf
2020年4月27日付で、大日本住友製薬株式会社のメトグルコ錠250mgおよび錠500mgの一部ロット、日本ジェネリック株式会社のメトホルミン塩酸塩錠500mgMT「JG」の一部ロットが自主回収されることになりました。メトグルコ錠ではPTP包装品の複数のロットから管理指標を超える発がん性物質N-ニトロソジメチルアミン(以下「NDMA」)が検出され、原因は明確でないものの、PTPアルミ箔の印刷インクに含まれる物質が、錠剤中原薬に僅かに残留していた原料と反応して生成された可能性があるとのことです。
これまでに本製品によるNDMAに関連した重篤な健康被害等の報告はありません。 メトグルコなどメトホルミン製剤を服用中の患者の皆様は、本件について心配な点があれば独断で服用を中止せず、主治医に相談してください。
よく寄せられるご質問 Q1︓NDMAとは何ですか︖ A1︓N-ニトロソジメチルアミンの略称で発がん性が確認された環境汚染物質です。様々な産業の製造工程で発生したり、自然条件のもとでも発生したりする可能性があり、飲料水や肉、野菜、乳製品からも検出されます。
Q2︓メトグルコ錠を⻑期で服用している場合の安全性について教えてください。 A2︓メトグルコ錠に関するNDMAの管理指標は、メトホルミン塩酸塩として1日2,250mgを70年間服用し続けた場合に10万人に1人に発がんするリスクが増える量として設定されています。今回は、この管理指標を超えるものが確認されましたが、患者さんの実際の服用量・服用期間等の服用状況を踏まえて考えますと、健康上の問題が発生する可能性は小さいと考えています。 Q3︓今服用しているメトグルコ錠はどうすればいいですか︖ A3︓お手元のメトグルコ錠はそのまま服用いただいて構いません。服用いただいた場合でも、健康上の問題が発生する可能性は小さいと考えています。