なかはら内科クリニックでは毎月初めに前月の感染症の検査陽性率を掲示しております。
ここ1週間ではコロナ COVID-19陽性率は50%前後に増加しております。
当院では抗原検査ではなく、正確性を求めるためPCR法で実施しています。
不運にも陽性になってしまった患者さんにコロナ治療薬を提案するのですが、
値段が15000〜30000円ほどするので、値段が問題となり希望されない患者さんがほとんどです。
Yahoo!ニュースでも話題になっていましたね。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1a2ca59e8c0b4893b20d2d67266fd6817165f902?page=2
もし、使用したいのだけれど、値段が問題で断念するという患者さんに、ご提案がございます。
当院ではいろいろ臨床研究に参加しています。
その一環としてシオノギから販売されているゾコーバの臨床研究として参加していただける患者さんにコロナ治療薬であるゾコーバを研究協力金と一緒にもらえる可能性がございます。
もし、参加希望の患者さんがおられましたら、院長にお声がけください。
以下転載
本研究の背景
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2023年5月から5類感染症に移行しましたが、罹患後症状(いわゆる後遺症)と呼ばれる病態は今も世界における深刻な問題であり、患者の生活の質(QOL)に大きな影響を与えています。
新型コロナ後遺症とは、急性期を回復した後も倦怠感、呼吸苦、脱毛、集中力低下、記憶力低下などの症状が遷延する状態を指します。
私たちの最近の研究では、発症から4週間後の時点で何らかの後遺症に関連した症状がみられたのは5.2%でした(J Infect Chemother. 2023 Dec 14:S1341-321X(23)00310-0.)。これまでの後遺症の特徴として、男性よりも女性、若い人よりも高齢の方、急性期に軽症だった方よりも重症だった方が後遺症の症状がみられやすいということが分かっています。現時点では、後遺症の症状がすでに出てしまっている方に対する治療法は確立されていませんが、感染前に新型コロナワクチンを接種していた人は、接種していなかった人よりも後遺症の症状を起こしにくいことが分かっています。
最近になって、COVID-19の急性期における抗ウイルス薬の投与が、その後の後遺症の発現リスクを低減させるのではないかとする報告がいくつか出てきています。エンシトレルビルフマル酸(商品名ゾコーバ)もその1つであり、国際共同研究の探索的解析によって、急性期にエンシトレルビルフマル酸を処方された患者ではその後の罹患後症状に関連する症状が低減していたことが報告されています。しかし、急性期における抗ウイルス薬の投与が後遺症に与える影響については、前向きに行われたエビデンスレベルの高い臨床研究では示されていません。
そこで我々は、急性期の軽症COVID-19患者に対してエンシトレルビルフマル酸を投与することで、その後の後遺症の発現リスクを低減できるのかを、前向きのランダム化比較試験で検証することにいたしました。
本研究の概要
本研究は、「エンシトレルビルフマル酸のCOVID-19罹患後症状に対する有効性の検証(RESILIENCE Study)」と題し、軽症COVID-19患者を対象にエンシトレルビルフマル酸を5日間投与し、その後の罹患後症状の発生をプラセボ群と比較して評価します。研究デザインは単施設、無作為割付、二重盲検、並行群間比較試験で、エンシトレルビル群とプラセボ群で各1000例を予定しています。
本研究の対象となる患者
本研究の対象者は、COVID-19と診断され、症状発現から72時間以内、かつ、重症度分類が軽症の患者です。18歳以上で、同意が得られる方が対象となります。一方で、COVID-19の重症化リスクが高い患者、過去15日以内に特定の抗ウイルス薬や治療薬の投与を受けた患者などは除外基準となっています。
本年12月2日から現行の健康保険証が発行されなくなります。
マイナンバーカードをマイナ保険証として使用していますか?
マイナ保険証だと窓口負担が安くなります。
もし、使用していない場合、当院窓口の機械で保険証として登録することができます。
2024年8月7日(水曜)〜8月15日(木曜) 休診とさせて頂きます。
ご不便をお掛け致しますが、 よろしくお願い致します。
ときどき、他院通院中の患者さんが患者さんご自身のかかりつけクリニックで処方されている薬について相談のために、糖尿病・高血圧専門クリニックである なかはら内科クリニックに来院されます。
なんで高血圧じゃないのに高血圧の薬なんですか?
なんで糖尿病じゃないのに糖尿病の薬なんですか?
処方箋を持参し薬局に行くと、薬剤師から色々説明を聞いたり、薬剤情報説明書を見て、あれ?自分は高血圧ではないのにとか、糖尿病じゃないのにと感じて不安になり相談になることが多いです。
きっと、かかりつけの先生の説明不足かなかなか伝わりづらいことが原因なのでしょう。
当院かかりつけ患者さんでもたまにこのようなエピソードがあります。
説明しているつもり。。なのですが。反省。。
今日は一剤2役!3役!複数の効果を示す薬剤について説明しようと思います。
<高血圧のくすり>
ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)
1. 高血圧治療:
- 効果: 血管を拡張させることで血圧を下げます。
- メカニズム: アンジオテンシンIIという血管を収縮させる物質の生成を阻害します。
2. 腎保護作用:
- 効果: 腎臓の機能を保護し、慢性腎臓病の進行を遅らせる効果があります。
- メカニズム: 血圧や糸球体内圧を下げることで腎臓への負担を軽減し、さらに腎臓の血流を改善します。
3. 慢性心不全:
- 効果: 心臓のリモデリング(心臓の形状や機能の変化)を防ぎ、心不全の症状を改善します。
- メカニズム: 血圧の低下と共に、心臓の負担を軽減し、心筋の保護効果があります。
ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)
1. 高血圧治療:
- 効果: 血圧を下げます。
- メカニズム: アンジオテンシンIIが受容体に結合するのを阻害し、血管を拡張させます。
2. 腎保護作用:
- 効果: 慢性腎臓病の進行を遅らせる効果があります。
- メカニズム: 血圧や糸球体内圧を下げることで腎臓への負担を減少させ、腎機能を保護します。
3. 慢性心不全:
- 効果: 心臓のリモデリングを防ぎ、心不全の症状を改善します。
- メカニズム: 血圧の低下と共に、心臓の負担を軽減し、心筋の保護効果があります。
まとめ
ACE阻害薬とARBは、単に高血圧を治療するだけでなく、腎臓や心臓の保護にも役立つ薬です。これにより、患者さんの全体的な健康状態を改善し、重篤な合併症のリスクを減少させることができます。
その他
β遮断薬(ベータブロッカー)
- 主な作用: 心拍数を下げ、心筋の酸素需要を減少させることで、狭心症や心不全、高血圧の治療に使用されます。
- その他の作用: 一部のβ遮断薬は、不整脈の予防や治療にも有効です。
カルシウム拮抗薬
- 主な作用: 血管を拡張させ、血圧を下げます。また、狭心症の症状を緩和します。
- その他の作用: 一部のカルシウム拮抗薬は、不整脈の治療にも使用されます。
<糖尿病のくすり>
SGLT2阻害薬(ナトリウム・グルコース共輸送体2阻害薬)
1. 糖尿病治療:
- 効果: 血糖値を下げます。
- メカニズム: 腎臓でのグルコースの再吸収を阻害し、尿中に排泄されるグルコース量を増やすことで血糖値を下げます。
2. 体重減少:
- 効果: 体重を減少させる効果があります。
- メカニズム: 尿中に排泄されるグルコースに伴いカロリーが失われるため、体重が減少します。
3. 心血管保護作用:
- 効果: 心不全のリスクを低減し、心血管系の健康を改善します。
- メカニズム: 血糖値の管理に加え、利尿作用による体液量の減少と血圧の低下が心血管系に良い影響を与えます。
4. 腎保護作用:
- 効果: 腎臓病の進行を遅らせ、腎機能を保護します。
- メカニズム: 血糖値と血圧の管理による腎臓への負担軽減に加え、直接的な腎臓保護効果もあります。
まとめ
SGLT2阻害薬は、主に糖尿病の治療薬として開発されましたが、以下のような多くの有益な効果があります。
- 血糖値を効果的に管理
- 体重減少効果
- 心血管保護
- 腎保護
これらの効果により、糖尿病患者さんの全体的な健康状態を改善し、重篤な合併症のリスクを減少させることができます。
GLP-1作動薬(グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬)
1. 糖尿病治療:
- 効果: 血糖値を下げます。
- メカニズム: GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事後に腸から分泌されるホルモンで、インスリンの分泌を促進し、グルカゴンの分泌を抑制します。また、胃の排出を遅らせ、食後の血糖値の急上昇を防ぎます。
2. 体重減少:
- 効果: 体重を減少させる効果があります。
- メカニズム: 食欲を抑制し、摂取カロリーを減少させることにより体重が減少します。
3. 心血管保護作用:
- 効果: 心血管イベント(心臓発作や脳卒中など)のリスクを低減します。
- メカニズム: 血糖値の管理に加えて、体重減少や血圧の低下、脂質プロファイルの改善が心血管リスクの低減に寄与します。
4. 使いやすさ:
- 特徴: 多くのGLP-1作動薬は週に一度の注射で効果が持続するため、投薬管理が比較的容易です。
具体例:セマグルチド
セマグルチドは、GLP-1作動薬の一つで、糖尿病の治療に広く使用されています。以下にその主な効果をまとめます。
- 血糖値管理: 食後の血糖値上昇を抑え、全体の血糖値を安定させます。
- 体重減少: 食欲を抑制し、体重管理に役立ちます。
- 心血管保護: 心血管イベントのリスクを減少させる効果があります。
まとめ
GLP-1作動薬、特にセマグルチドは、糖尿病治療だけでなく、体重管理や心血管リスクの低減にも有効です。週に一度の投与で効果を発揮するため、患者さんの負担も軽減されます。
マンジャロ(チルゼパチド)の効果と特徴
1. 血糖値管理
- 効果: 血糖値を効果的に下げます。
- メカニズム: チルゼパチドはGLP-1とGIPの受容体を同時に刺激し、インスリンの分泌を促進し、グルカゴンの分泌を抑制します。これにより、食後の血糖値の上昇を抑え、全体的な血糖コントロールを改善します。
2. 体重減少
- 効果: 体重を減少させる効果があります。
- メカニズム: 食欲を抑制し、摂取カロリーを減少させることで体重を減少させます。また、エネルギー消費を増加させる作用もあるとされています。
3. 心血管保護
- 効果: 心血管イベント(心臓発作や脳卒中など)のリスクを低減します。
- メカニズム: 血糖値の改善に加え、体重減少、血圧の低下、脂質プロファイルの改善が心血管リスクの低減に寄与します。
4. 使用方法
- 特徴: マンジャロは通常、週に一度の注射で投与されます。これは患者さんの薬物管理を容易にし、投与頻度の低さが治療の継続性を高めます。
まとめ
マンジャロ(チルゼパチド)は、2型糖尿病の管理において非常に有望な薬剤です。血糖値の効果的なコントロールに加え、体重減少効果や心血管保護作用も持っております。心血管イベント抑制効果や腎保護効果についての報告は少ないですが、血糖改善や体重改善の効果から、これらの効果も期待できると考えられています。体重減少効果や心血管保護作用も持っており、総合的な健康改善に寄与します。週に一度の投与で効果を発揮するため、患者さんの負担も軽減されます。
糖尿病専門クリニックである なかはら内科クリニックでは、インスリン使用中の患者さんにフリースタイルリブレを希望に応じて保険適応として使用しております。
血糖悪化時にインスリン強化療法をしていて、血糖コントロールが良くなったのでインスリンから内服やGLP1作動薬であるオゼンピックなど週一回注射薬に変更になった患者さんにフリースタイルリブレを保険上使用できない背景があり、患者さんから残念な声が多く届いていました。
先日、厚生労働省からCGM(間歇スキャン式持続血糖測定器)を、診療報酬上対象とならない患者を対象とした、選定療養の枠組みで使用できるようになった。
との発表がありました。
これに基づき、対象の患者さんに対して、説明と同意の上で、使用が可能となります。
しかし、保険診療ではないので、1ヶ月分(フリースタイルリブレとして2個)で13000円となります。
ご興味のある患者さんは、ご気軽にご相談ください。
https://nakahara-naika.com/about.php
COVID-19ワクチン
コミナティRTU筋注1人用 (1価:オミクロン株 XBB.1.5) 16000円
RSウイルスワクチン
アレックスビー® 27000円
接種ご希望の方は、受付にご相談くださいませ。
https://nakahara-naika.com/vaccination.php