毎週木曜日の朝は、院長にとってとても楽しみな時間です。
休診日だからではありませんよ。笑
なぜなら、臨床医学の分野で最も権威のある医学雑誌のひとつである「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」が発表されるからです。
今週、そのNEJMにおいてGLP-1受容体作動薬に関する重要な報告が掲載されていました。
皆さんは「GLP-1」と聞くと、「ダイエット」や「肥満症の薬」というイメージをお持ちかもしれません。それは決して間違いではありません。しかし、ここ数年で医学は大きく進歩しています。
現在では、GLP-1受容体作動薬、そしてその関連薬は、単なる体重減少だけでなく、動脈硬化性疾患の予防や、慢性腎臓病の進行抑制といった、より広い臓器保護作用を持つ薬として認識されています。
今回は、これらの最新知見について、AIの力も借りながら、わかりやすく詳しく解説していきたいと思います。
N Engl J Med 2026;394:1313-1324
なかはら内科クリニック 院長コラム
「痩せる注射」って何?
GLP-1受容体作動薬のすべて
オゼンピック・ウゴービ・マンジャロ…いま話題のお薬を院長がわかりやすく解説します
最近、「オゼンピック」「ウゴービ」「マンジャロ」といった薬の名前を耳にする機会が増えてきたのではないでしょうか。これらはすべてGLP-1受容体作動薬と呼ばれる新しいタイプのお薬です。2型糖尿病や肥満症の治療に使われるこれらのお薬について、わかりやすく解説します。
そもそもGLP-1って何?
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事をしたときに腸から分泌されるホルモンです。「インクレチン」と呼ばれるホルモンの一種で、食後に血糖値が上がると膵臓に働きかけてインスリンを分泌させます。
🔬 GLP-1のはたらき
💉 食後のインスリン分泌を促す
⬇️ グルカゴンの分泌を抑える
🍽️ 胃の動きをゆっくりにする
🧠 満腹感を高めて食欲を抑える
天然のGLP-1はすぐに体内で分解されてしまいますが、GLP-1受容体作動薬はこれを分解されにくくした薬です。
どんな効果があるの?
大規模な臨床試験で、HbA1c(過去1〜2ヶ月の血糖コントロールの指標)を1.5〜2%程度低下させることが示されています。これは非常に大きな改善です。
| 一般名(商品名) |
体重減少の目安 |
| リラグルチド(ビクトーザ/サクセンダ) |
約5% |
| セマグルチド注射(オゼンピック/ウゴービ) |
約15% |
| チルゼパチド(マンジャロ/ゼップバウンド) |
15〜21% |
大規模な試験で、心筋梗塞・脳卒中などの心血管イベントを約14〜26%減らすことが示されました。また、糖尿病による腎臓病の進行を約3年遅らせる効果も確認されています。
📋 2025年1月、セマグルチド(オゼンピック)は腎臓病リスクを下げる薬としてFDA(米国食品医薬品局)に承認されました。
副作用は?
⚠️ よくある副作用(消化器系)
投与開始後8週間以内に出やすく、徐々に量を増やすことで軽減できることが多いです。
🔴 まれな重篤な副作用
- 胆石症(約1.5倍のリスク)
- 急性膵炎
- 筋肉量・骨密度の低下
骨密度は52週間使用で約1%低下の報告あり。長期的なフォローが必要です。
現在使用できる主なGLP-1受容体作動薬
| 一般名(商品名) |
特徴 |
エキセナチド (バイエッタ) |
短時間型・1日2回注射。最初に承認されたGLP-1製剤 |
エキセナチド持続放出型 (ビデュリオン) |
週1回注射 |
リラグルチド (ビクトーザ/サクセンダ) |
1日1回注射。2014年に肥満症治療薬として初承認 |
リキシセナチド (リキスミア) |
1日1回注射 |
デュラグルチド (トルリシティ) |
週1回注射・長時間型 |
セマグルチド注射 (オゼンピック/ウゴービ) |
週1回注射。糖尿病・肥満症の両方に承認 |
セマグルチド錠 (リベルサス) |
1日1回内服。飲み薬タイプ・糖尿病治療用 |
チルゼパチド (マンジャロ/ゼップバウンド) |
週1回注射。GLP-1+GIPデュアル作動薬。最大21%の体重減少 |
大事な注意点
🔄
薬をやめると体重が戻りやすいため、継続的な使用が基本です
💴
費用が高額になることがあります。保険適用の条件をよく確認しましょう
💊
他の糖尿病薬と組み合わせると低血糖のリスクがある場合があります
🏥
手術前は必ず主治医にご相談ください(胃の動きが遅くなるため、麻酔のリスクが上がる場合があります)
まとめ
GLP-1受容体作動薬は、血糖コントロール・体重減少・心臓・腎臓の保護という一石四鳥の効果が期待できる、現代の糖尿病・肥満治療の中心的なお薬です。ただし、万能ではなく、副作用や費用の問題、長期的なデータの蓄積が必要な部分もあります。
ご自身に合った治療法については、ぜひ当クリニックでご相談ください。
4月木曜日診療日のお知らせ
1月の木曜診療日は9日、16日、23日です。
木曜午前は予約制で、定期診療に加え、かかりつけの患者様を対象に動脈硬化症関連の検査日としております。
木曜日は感染症外来は行っておりませんのでご了承ください。
こんにちは。なかはら内科クリニックです。
このたび当院では、2026年3月より「肥満ダイエット外来」を開始いたしました。
https://nakahara-naika.com/diet.php
近年、肥満は単に体重が多い状態ではなく、糖尿病・高血圧・脂質異常症・脂肪肝など様々な生活習慣病の原因となる「病気」として考えられています。
そのため肥満治療の目的は、単に体重を減らすことではなく、将来の健康リスクを減らすことです。
当院の肥満ダイエット外来では、食事療法・運動療法に加え、必要に応じてGLP-1受容体作動薬を用いた治療を行います。
GLP-1とは、もともと体内で分泌されるホルモンで、食欲を抑える作用や血糖値を安定させる働きがあります。
この作用を利用したGLP-1受容体作動薬は、糖尿病治療薬として使用されてきましたが、近年は体重減少効果も注目されています。
GLP-1治療では
・食欲が自然に抑えられる
・食事量を無理なく減らせる
・血糖値の改善が期待できる
といった効果が報告されています。
ただし、すべての方に適応があるわけではありません。
当院では診察・血液検査などを行い、医学的に適切かどうかを判断したうえで治療を行います。
「ダイエットは意志の問題」と思われがちですが、実際にはホルモンや代謝など体の仕組みも大きく関わっています。
当院では無理な減量ではなく、医学的に安全な方法で健康的な体重管理をサポートします。
・体重がなかなか減らない
・健康診断で体重増加を指摘された
・血糖値やコレステロールが気になる
このような方は、お気軽にご相談ください。
なかはら内科クリニック
3月木曜日診療日のお知らせ
3月の木曜診療日は12日、19日、26日です。
木曜午前は予約制で、定期診療に加え、かかりつけの患者様を対象に動脈硬化症関連の検査日としております。
木曜日は感染症外来は行っておりませんのでご了承ください。
川崎市国民健康保険に加入されている方を対象とした
「川崎市特定健康診査(こくほ健診)」の受診期限が3月末までとなっています。
6月頃に川崎市から受診券が郵送されていますが、
・受診券は届いているけれど受けていない
・忙しくてそのままになっている
・まだ期限があると思っていた
という方も多く、毎年3月は駆け込み受診が増えます。
期限を過ぎると今年度は受診できませんので、
対象の方は早めの受診をおすすめします。
川崎市 特定健診とは
川崎市特定健康診査(特定健診)は、
生活習慣病の早期発見と予防を目的とした健康診断です。
特に
・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症
などの原因となる メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満) に着目した健診となっています。
健診結果により生活習慣の改善が必要と判断された場合には、
医師・保健師・管理栄養士による 特定保健指導 が行われることもあります。
川崎市特定健診の対象者
次の方が対象になります。
■川崎市国民健康保険の被保険者
・今年度 40~74歳 になる方
・今年度 75歳になる方(誕生日の前日まで)
※75歳以降は「後期高齢者健康診査」の対象になります。
また、次の方は対象外となります。
・妊産婦
・海外在住
・長期入院中
・施設入所中
・刑務所入所中など
実施期間
6月~翌年3月末まで
※今年度75歳になる方は
誕生日の前日までが受診期限です。
1~3月は健診予約が集中するため、
早めの受診がおすすめです。
費用(自己負担)
無料
※ただし
50歳以上の男性が特定健診と同時に PSA検査(前立腺がん検査) を受ける場合は
400円の自己負担があります。
健診内容
川崎市特定健診では次の検査を行います。
・問診(服薬歴・喫煙歴など)
・身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)
・血圧測定
【血液検査】
・脂質(中性脂肪、HDL、LDLコレステロール)
・肝機能(AST、ALT、γGTP)
・血糖(HbA1c)
・尿酸
・腎機能(クレアチニン)
【尿検査】
・尿糖
・尿蛋白
・尿潜血
医師が必要と判断した場合には
・心電図
・貧血検査
・眼底検査
などの追加検査を行うことがあります。
受診券をなくした場合
受診券は再発行が可能です。
川崎市がん検診・特定健診等コールセンター
044-982-0491
月~金 8:30~17:15
第2・第4土曜 8:30~12:30
申請後、約2週間で郵送されます。
2月の感染症外来の各検査の陽性率はコロナ4.9%、インフルエンザ46.3%でした。インフルエンザB型が猛威を震っていましたね。
1−3ヶ月に1回 定期的に受診されている方で、発熱してしまった方はお電話くださいませ