スギ花粉症・ハウスダストアレルギーは「治す」時代へ
2026/07/29
スギ花粉症・ハウスダストアレルギーは「治す」時代へ
スギ花粉症・ハウスダストアレルギーは「治す」時代へ ― 舌下免疫療法(シダキュア・ミティキュア)のすべて
「毎年花粉症の薬を飲み続けている」「一年中鼻づまりが治らない」――そんな方に知っていただきたいのが、アレルギーの体質そのものを改善する治療法「舌下免疫療法」です。当院でも、スギ花粉症に対するシダキュア、ハウスダスト(ダニ)アレルギーに対するミティキュアによる治療を行っています。本記事では、その仕組み・効果・費用・始め方について、循環器・内分泌代謝内科を専門とする院長が分かりやすく解説します。
舌下免疫療法とは? ― 対症療法との違い
抗ヒスタミン薬や点鼻薬による治療は、あくまで出ている症状を一時的に抑える「対症療法」です。薬をやめれば、また同じように症状が出てしまいます。
一方、舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少量から舌の下に投与し、体を徐々に慣らしていくことで、免疫のしくみそのものを調整する治療法です。厚生労働省が承認した、根本的な体質改善を目指せる数少ない治療法として、近年注目されています。
| 項目 | 対症療法(飲み薬・点鼻薬) | 舌下免疫療法 |
|---|---|---|
| 効果の対象 | 症状を一時的に抑える | アレルギー体質そのものに働きかける |
| 効果の持続 | 服薬中のみ | 治療終了後も長期間持続することが報告されている |
| 治療期間 | 毎年繰り返し | 標準3〜5年(最低3年) |
対象となる2つのアレルゲン
① スギ花粉症 ―「シダキュア」
スギ花粉が原因の花粉症に対する治療薬です。花粉が飛散している時期(おおむね1月〜5月頃)は新規開始ができないため、当院では花粉の非飛散期(概ね6月〜12月頃)に新規開始をご案内しています。花粉症でお悩みの方は、シーズンオフのこの時期こそ、来シーズンに向けた治療の始めどきです。
② ハウスダスト(ダニ)アレルギー ―「ミティキュア」
室内のチリ・ホコリに含まれるダニを原因とする通年性アレルギー性鼻炎に対する治療薬です。スギ花粉と異なり飛散時期の制約がないため、季節を問わずいつでも開始できます。「一年中鼻炎症状がつらい」という方は、ダニアレルギーが関与している可能性があります。
なお、検査でスギ花粉・ダニの両方に陽性が出た方は、時期を分けて両方の舌下免疫療法を併用できる場合もあります(同時に開始すると副作用の原因薬剤が判別しにくくなるため、通常は2〜3か月間隔をあけて開始します)。
治療の流れ
血液検査(特異的IgE検査)で、スギ花粉・ダニ等が原因かどうかを確認し、適応を判断します。
院内で医師の管理のもと、少量から服用を開始し、症状の変化を確認します。
約1週間かけて維持量まで増量します。この間は自宅で毎日服用しますが、体調変化があれば速やかにご相談ください。
毎日1回の服用を継続。月1回の通院で経過を観察しながら処方を継続します。
効果の実感には半年〜1年程度かかることが多く、標準3〜5年(最低3年)の継続が推奨されます。約2年経過しても改善が乏しい場合は治療の見直しを行います。
効果はどのくらい期待できる?
国内の臨床試験・市販後調査では、継続治療によって多くの方に症状の軽減効果が報告されています。特に、治療を終了した後も効果が長期間持続する可能性がある点は、毎年薬を飲み続ける対症療法にはない大きなメリットです。
対象となる方・始められる年齢
- 血液検査でスギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と確定診断された方
- 5歳頃から開始可能とされています(錠剤を舌の下で1分程度保持できることが目安です)
- 妊娠中の方は新規開始を避けます(すでに治療中に妊娠が判明した場合は継続可否を相談します)
- 重症の気管支喘息がある方、その他一部の疾患がある方は適応を慎重に判断します
副作用について
治療開始初期には、口の中やのどのかゆみ・違和感、唇や口腔内の腫れなどが比較的よくみられます。多くは軽度で、治療の継続とともに軽減していきます。ごくまれに、アナフィラキシーなどの重篤な副作用が報告されているため、初回投与は必ず医療機関で、その後30分程度院内で経過観察を行った上で開始します。ご自宅での服用時も、体調に異変を感じた場合はすぐに医療機関にご連絡ください。
費用の目安
健康保険が適用される治療です。診察・お薬代を含め、2回目以降の通院では1か月あたりおおよそ3,000円前後(3割負担の場合)が目安となります。お子さまの場合は、お住まいの自治体の医療費助成によりさらに自己負担が軽減されるケースが多くあります。
まとめ
舌下免疫療法は、毎年繰り返す花粉症・ダニアレルギーの症状に「そろそろ根本的に向き合いたい」と考える方にとって、有力な選択肢です。治療開始には時期の制約(特にスギ花粉症)があるため、ご興味のある方はお早めにご相談ください。
舌下免疫療法にご興味のある方は、まずアレルギー検査から始めましょう。
お気軽に当院までご相談ください。
なかはら内科クリニック
JR南武線「武蔵中原駅」から通院しやすい立地にあり、武蔵小杉・元住吉エリアからもアクセス良好です。
川崎市中原区を中心に、武蔵小杉・元住吉・日吉・武蔵新城エリアなど、幅広い地域の患者様にご来院いただいております。
内科全般に加え、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病や、動悸・胸痛など循環器疾患の診療にも対応しております。
〒211-0053 川崎市中原区下小田中3丁目30番地3号 TEL:044-797-5556
https://nakahara-naika.com/
監修:岸 智(なかはら内科クリニック 院長)
認定内科医/総合内科専門医(指導医)/高血圧専門医/糖尿病専門医/循環器専門医/脈管専門医/認定産業医/糖尿病認定医
国際フェロー:FACP/FAHA/FACC/FESC/FSCCT
なかはら内科クリニックは、JR南武線・武蔵中原駅より徒歩12分(川崎市中原区下小田中3丁目30番地3号)に位置し、一般内科・循環器内科・生活習慣病を中心に、武蔵中原・元住吉・武蔵小杉エリアの皆様の健康をサポートしています。
本記事は日本アレルギー学会・日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会「鼻アレルギー診療ガイドライン」および各医薬品の添付文書情報等をもとに作成しています。治療の適応・可否は個々の状態により異なりますので、必ず医師にご相談ください。
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