「朝の血圧130未満」を目指しましょう ~夜間・早朝高血圧を見逃さないために~

2026/09/20

「朝の血圧130未満」を目指しましょう ~夜間・早朝高血圧を見逃さないために~

「朝の血圧130未満」を目指しましょう

~夜間・早朝高血圧を見逃さないために~

先日、「4 Days Web Seminar ~夜間高血圧を見逃さない~」という講演会で、座長を務めさせていただきました。今回のテーマは、「夜間高血圧」と「早朝高血圧」です。

高血圧というと、病院やクリニックで測る血圧を思い浮かべる方が多いと思います。しかし実は、診察室での血圧が良好でも、寝ている間や朝起きたときに血圧が高くなっている方がいらっしゃいます。

今回の講演を通して改めて感じたのが、「朝の家庭血圧を見ることの大切さ」です。

今日のポイント:朝、ご自宅で血圧を測る習慣が、夜間・早朝高血圧の発見につながります。

なぜ「朝の血圧」が大切なのでしょうか?

本来、血圧は睡眠中には低下します。ところが、高血圧の患者さんの中には、夜になっても十分に血圧が下がらない「non-dipper型」や、むしろ夜間に血圧が上昇する「riser型」の方がいます。

夜間血圧が高いほど、腎臓ではアルブミン尿、心臓では左室肥大などの臓器障害と関連することが報告されています。今回の講演でも、夜間血圧とこうした高血圧性臓器障害(HMOD)との関係が詳しく取り上げられました。

そして、夜間の血圧を反映する一つの重要なサインが、朝の血圧です。

講演で紹介された研究より

治療中の高血圧患者さんでは、朝の収縮期血圧(上の血圧)が高くなるほど夜間高血圧を認める割合が増え、朝の血圧が135mmHg以上の患者さんでは71%に夜間高血圧が認められていました。

つまり、毎朝ご自宅で測っていただく血圧には、診察室だけでは分からない情報が隠れているのです。

目標は「朝の上の血圧130mmHg未満」

日本高血圧学会は2025年に「早朝高血圧徹底制圧宣言」を発表し、「朝の血圧130mmHg未満を目指そう」というメッセージを打ち出しています。

また、「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」では、診察室だけでなく家庭血圧、夜間血圧、早朝血圧などを含めて血圧を評価することの重要性が強調されています。

朝の上の血圧 130mmHg 未満

※ただし、「130を超えた日が1日あったから危険」という意味ではありません。家庭血圧は継続して測定し、その推移を見ることが重要です。また、個々の患者さんの年齢や病状、治療内容によって適切な管理方法は異なります。

診察室の血圧だけでは分からないことがあります

今回、座長を務めながら改めて感じたのは、高血圧治療は「病院で測った血圧を下げれば終わり」ではないということです。

大切なのは、一日の中で血圧がどのように変動しているのかを考え、脳・心臓・腎臓・血管を高血圧によるダメージから守ることです。

そのために、患者さん自身にできる非常に大切なことがあります。それは、朝、ご自宅で血圧を測ることです。

診察室では血圧が正常なのに、朝だけ高いという方も決して珍しくありません。「病院では血圧はいいと言われているから大丈夫」と思っている方も、一度ご自宅で朝の血圧を測ってみてください。

そして、朝の上の血圧が130mmHg以上の日が続くようであれば、その記録をぜひ診察の際にお持ちください。

毎朝のわずかな習慣が、夜間・早朝高血圧を見つけ、将来の脳卒中や心臓病、腎臓病を予防する第一歩になります。
「朝の血圧130mmHg未満」——ぜひ覚えておいていただきたい数字です。

🏥監修者情報

監修:岸 智(なかはら内科クリニック 院長)

日本専門医資格

  • 認定内科医
  • 総合内科専門医(指導医)
  • 高血圧専門医
  • 糖尿病専門医
  • 循環器専門医
  • 脈管専門医
  • 認定産業医
  • 糖尿病認定医

国際フェロー

  • FACP
  • FAHA
  • FACC
  • FESC
  • FSCCT

🏢クリニック情報

なかはら内科クリニックは、川崎市中原区下小田中3丁目30番地3号にあり、JR南武線「武蔵中原駅」から徒歩12分です。武蔵小杉・元住吉・日吉・武蔵新城エリアからの通院も可能です。高血圧をはじめとする生活習慣病の管理・治療を専門的に行っております。

📚出典

  • 日本高血圧学会「早朝高血圧徹底制圧宣言」(2025年)
  • 日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」
  • 「4 Days Web Seminar ~夜間高血圧を見逃さない~」講演内容

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