【活動報告】運送業界の安全を守る。株式会社ヒルト様と睡眠時無呼吸症候群(SAS)スクリーニング検査を実施します

2026/04/12

【活動報告】運送業界の安全を守る。株式会社ヒルト様と睡眠時無呼吸症候群(SAS)スクリーニング検査を実施します


川崎市中原区(武蔵中原・武蔵小杉・元住吉エリア)のなかはら内科クリニックです。
今回は、運送業において特に重大な健康リスクとなっている睡眠時無呼吸症候群(SAS)についてご紹介します。
地元・中原区に拠点を置く運送会社株式会社ヒルト様より、従業員の皆さまの健康と交通安全を守るためのスクリーニング検査のご相談をいただきました。その取り組みの意義とともに、SASについてわかりやすく解説いたします。

地元・中原区の運送会社ヒルトさんからのご依頼

このたび、川崎市中原区に本社を置く株式会社ヒルト(下小田中3丁目)より、従業員の睡眠時無呼吸症候群スクリーニング検査についてご相談をいただきました。

従業員の健康を守りたい」——その一言が、今回のご相談のすべてを表しています。
ヒルトさんは、チルド・冷凍食品輸送を中心に首都圏で活躍されている老舗企業。NHKやTBSテレビでも紹介された居眠り運転防止システムを導入するなど、安全への意識が非常に高い会社として知られています。
そのヒルトさんが、さらに一歩踏み込み、社員の健康起因事故の根本予防に取り組もうとされています。

SASのスクリーニング検査は、法律上の義務ではなく努力目標です。費用もかかることから、実際に実施している企業はまだ少ないのが現状です。
そういった中でも、自発的に取り組もうとされるヒルトさんの姿勢は、従業員思いの経営の象徴だと感じました。このような思いやりある企業が増えることを、心から願っています。

運送業と睡眠時無呼吸症候群——社会的な問題として

睡眠時無呼吸症候群は、単なる「いびき」の問題ではありません。日中の強い眠気・集中力の低下を引き起こすことで、運転中の事故リスクを大幅に高めます。

⚠️ 知っておきたい事実

  • 過去に発生した新幹線・電車の居眠り運転事故にSASが関与していた事例が報告されています
  • トラック・バス運転手におけるSASの有病率は一般人の2〜3倍とも言われています
  • SASによる眠気は本人が自覚しにくく、突然意識を失う「マイクロスリープ」が危険です
  • 国土交通省は運輸事業者に対し、SASスクリーニング実施を努力義務として推奨しています

運送業は、公道を走る車両を運転するという性質上、ドライバー個人の健康が社会全体の安全に直結します。武蔵小杉・武蔵中原・元住吉など中原区の生活道路や幹線道路でも、毎日多くの運送車両が走っています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、睡眠中に呼吸が止まる、または著しく浅くなる状態が繰り返される疾患です。

医学的には、1時間あたり5回以上の無呼吸・低呼吸(AHI≧5)があり、かつ日中の眠気などの症状を伴う場合に診断されます。

SASの種類

種類 原因 頻度
閉塞性SAS(OSAS) 喉の筋肉がゆるみ、上気道が物理的に閉塞する 全体の約90%以上
中枢性SAS(CSAS) 脳から呼吸筋への指令が一時的に止まる 比較的まれ

特に肥満・首が短い・顎が小さい体型の方や、飲酒習慣・加齢・男性であることがリスク因子として知られています。日本人は欧米人に比べ顎が小さい体型が多いため、やせ型でもSASになることがある点が特徴的です。

主な症状

SASの症状は夜間(睡眠中)日中に分けて現れます。

🌙 夜間の症状

  • 大きないびき(家族から指摘されることが多い)
  • 睡眠中の無呼吸(呼吸が止まる)
  • 夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)
  • 夜間頻尿
  • 寝汗
  • 口の渇き・のどの痛み

☀️ 日中の症状

  • 強い眠気・居眠り(特に運転中が危険)
  • 起床時の頭痛・倦怠感
  • 集中力・記憶力の低下
  • 気分の落ち込み・抑うつ
  • 性欲の低下
  • 高血圧・不整脈の悪化

💡 ポイント:SASの怖いところは、「自分では気づきにくい」ことです。夜間の無呼吸は本人が自覚できず、日中の眠気も「最近疲れているだけ」と見過ごされがちです。パートナーや家族から「いびきがすごい」「呼吸が止まっている」と言われた方は、ぜひ一度ご相談ください。

診断方法——スクリーニング検査から確定診断まで

SASの診断は2段階で進みます。

STEP 1|簡易スクリーニング検査(在宅検査)

小型の検査機器を貸し出し、自宅や宿泊施設で一晩装着して測定します。指先のパルスオキシメーターや鼻カニューラで呼吸の流れ・血中酸素飽和度を記録します。

  • 入院不要・日常生活への影響が少ない
  • 企業での集団スクリーニングに最適
  • AHI(無呼吸低呼吸指数)が測定され、AHI≧15以上は要精査

STEP 2|精密検査(PSG:ポリソムノグラフィ)

簡易スクリーニングで疑いがある場合、専門医療機関での一泊精密検査を行います。脳波・心電図・呼吸・眼球運動・筋電図など多数のセンサーで睡眠全体を詳細に記録します。

  • SASの確定診断・重症度判定が可能
  • AHI 5〜15:軽症、15〜30:中等症、30以上:重症

なかはら内科クリニックでは、簡易スクリーニング検査の実施および結果説明を行い、必要に応じて専門医療機関へご紹介します。武蔵中原・武蔵小杉・元住吉にお住まいの方、またはお勤めの方はお気軽にご相談ください。

治療方法

SASの重症度や原因に応じて、適切な治療法が選択されます。

① CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)――中等症〜重症の第一選択

就寝時に専用のマスクを装着し、空気を気道に送り込んで気道の閉塞を防ぐ治療法です。SASの最も有効な治療法で、AHI≧20の中等症〜重症に対して健康保険が適用されます(月1回の受診が必要)。正しく使用すると、いびき・日中の眠気が劇的に改善します。

② マウスピース(口腔内装置)――軽症〜中等症に有効

下顎を前方に固定する装置で、気道を広げていびきや無呼吸を改善します。歯科医院で作製します。CPAPよりも携帯性が高く、旅行や出張が多い方にも向いています。

③ 生活習慣の改善――軽症や予防に

すべての重症度において、生活習慣の改善が治療の土台となります。

  • 減量:肥満はSASの最大のリスク因子。5〜10%の体重減少でAHIが改善することがあります
  • 禁酒・節酒:アルコールは上気道の筋肉を弛緩させ、無呼吸を悪化させます
  • 禁煙:気道の炎症を抑えます
  • 横向き睡眠:仰向けは舌根が落ちやすいため、横向きが推奨されます

④ 外科的治療――原因が明確な場合

扁桃腺肥大や鼻中隔弯曲などの解剖学的原因が明らかな場合は、耳鼻科での手術が有効なことがあります。特に小児では扁桃摘出術が非常に効果的です。

企業でのスクリーニング検査のすすめ

国土交通省では、バス・タクシー・トラック事業者に対してSASスクリーニングの実施を推奨しています。義務ではありませんが、ドライバーを抱える企業にとって、従業員の命と第三者の安全を守るために非常に重要な取り組みです。

💼 企業がスクリーニングを実施するメリット

  • 交通事故・労働災害のリスク低減
  • 早期発見・早期治療による従業員の健康寿命延伸
  • 高血圧・糖尿病・心疾患など合併症の予防
  • 安全への取り組みとしての企業イメージ向上
  • 社員への健康投資による採用・定着率の改善

ヒルトさんのように「費用がかかっても、大切な従業員の健康を守りたい」と考える経営者が増えることで、川崎市・中原区の道路がより安全になると信じています。

なかはら内科クリニックへご相談ください

なかはら内科クリニック(川崎市中原区)では、睡眠時無呼吸症候群の簡易スクリーニング検査を行っております。
武蔵中原・武蔵小杉・元住吉エリアの方はもちろん、川崎市内・中原区の企業様からの従業員への集団スクリーニングのご相談も歓迎しております。

📍 なかはら内科クリニック

  • 🏥 所在地:川崎市中原区(武蔵中原・武蔵小杉・元住吉エリア)
  • 🩺 診療科目:内科・生活習慣病・睡眠時無呼吸症候群
  • 🏢 企業の方:従業員スクリーニングのご依頼もお気軽にご相談ください

株式会社ヒルト様(左)となかはら内科クリニック・岸院長(右)
株式会社ヒルト様(左)と岸院長(右)

ヒルトさんのように、従業員の健康を真剣に考える企業がもっと増えていくことを心から望んでいます。
なかはら内科クリニックでは、企業健診や従業員の健康管理・健康相談も随時受け付けております。「うちの社員にも受けさせたい」とお考えの経営者・人事担当の方は、どうぞお気軽にご相談ください。

「いびきがひどい」「日中に強い眠気がある」「家族から呼吸が止まっていると言われた」という方は、ぜひ一度ご受診ください。SASは適切な治療で劇的に改善できる疾患です。一人で悩まず、お気軽にご相談ください。


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